“2人目”までの信頼 ダービー躍動のミラン本田が復権を実感する1年半の苦しみを乗り越えた成長
イタリアの勝利至上主義には皮肉も浮かべる
同僚の信頼を高め、負ければ終戦危機のダービーで快勝した本田だが、スコアほどの快勝ではないことを認めた。勝利至上主義というイタリア人の気質に皮肉交じりに触れたが、この試合をスタンド観戦したミランのシルビオ・ベルルスコーニ会長も「勝てばそれで良いのだ」という趣旨のコメントを残している。
「一喜一憂せず」と常々訴える本田にとっては、伝統と文化は変えることは至難だが、このダービーマッチの勝利自体は大きなものとして受け止めているようだ。
「僕以上にイタリア人はこのダービーの重要性がわかっている。僕はみんなが喜んでいると客観的に意外と見てしまう。ワールドカップもチャンピオンズリーグもそう。みんなの笑顔を見ていると嬉しい。ファン、選手の笑顔を見ていると、その笑顔がスーパーであればあるほど、サッカーやってきて良かったと思える瞬間だった」
本田のアシストとプレーは、ミラニスタ達の歓喜を呼び込んだ。サポーターたちにとっても、ダービーの結果次第で次の対戦まで職場や学校で相手サポーターからそのことを言われ続けるというビッグマッチだっただけに、その喜びは大きい。周囲の笑顔は背番号10に対する信頼になるはず。本田にとっても大きな喜びを与える一夜になった。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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