黒子役に徹し韓国撃破に貢献した欧州組FW久保 大逆転優勝に安堵も「3ゴールでは満足できない」
序盤から韓国DFに球際で厳しく狙われ苦心
欧州の荒波にもまれるストライカー久保裕也(ヤングボーイズ)は、アジアチャンピオンの座に「かなり嬉しかったです。良かった」と、安堵感と喜びが混ざり合ったような表情を見せた。30日のリオデジャネイロ五輪最終予選を兼ねたAFC・U-23選手権決勝の韓国戦で、U-23日本代表は後半2分までに0-2とされる厳しい展開になったが日本のサッカー史上に残る大逆転劇で3-2と勝利し、見事に優勝した。
この韓国戦を前に、同じく海外組として招集されていた南野拓実が所属のザルツブルクの要請で代表チームから離脱。久保が唯一の海外所属選手となっていた。そして、準決勝のイラク戦で先発出場したFW鈴木武蔵(新潟)も負傷で欠場。前線の軸として、大きな期待を背負って先発フル出場した。
しかし、久保が日本の攻撃において軸になるのは、相手の韓国から見ても明確なことだった。それだけに「前半はかなり苦しい場面が多かった」と振り返る。2トップを組んだFWオナイウ阿道(千葉)と共に後方からのボールの受け手になろうとしたが、かなり厳しく韓国DFに狙われた。それでも、サイドに流れてポイントを作り、なんとか流れを引き寄せようとしていた。
そして、後半に入って日本は0-2とリードを広げられたものの、後半22分のゴールを皮切りに14分間で3点を奪って大逆転勝利を収めた。久保自身にゴールはなかったものの、韓国守備陣の注意を引きつける存在として重要な役割を果たしていたのは間違いない。
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