スペインを襲う空前の“新型コロナ危機” 久保建英の「不透明な未来」を現地記者が考察
久保が今季最終節までプレー可能かは不透明、東京五輪の開催時期も去就に影響?
スペインで戦う日本人選手の中で最も先行きが不透明なのは、今季レアル・マドリードからマジョルカへレンタル移籍中の日本代表MF久保建英だろう。日本で最も期待される若手選手の1人であり、マジョルカでも攻撃の中心として味方を動かすタイプだが、それ以上に巨大な存在が久保自身の将来を左右することになりそうだ。
まずは今後のリーガ日程。状況によれば今シーズン最終日となる6月30日になっても今季が終了しない可能性があり、選手の契約に関してFIFA(国際サッカー連盟)による救済措置がなされるとの見方もあるが、期限付き移籍中の久保が最終節までプレー可能なのかは、現時点で不明となっている。
続いて保有元レアルの動向だ。大方の予想では、来季もレンタル移籍が濃厚となっている。今のところ行き先の最有力候補はレアル・ソシエダだが、ノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴールの去就など複数の要素から少なくない影響を受けることになりそうだ。
そして最後に東京五輪である。この原稿を書いている時点では開催時期が不明だが、ここ数日、特に欧州から来年に延期すべきとの意見が高まっている。開催が今年にしろ来年になるにしろ、五輪に参加することでレアルなど所属チームのプレシーズン合宿へ参加できなくなる。ある意味、その後のシーズン序盤を棒に振って代表チームへ参加することになるため、この点が久保の新天地決定に影響を与えることは十分に考えられる。
いずれにしろ、いまだに欧州では感染拡大の勢いが衰える気配を見せない新型コロナウイルスが、各方面でのカギを握ることになりそうだ。見通しが分からない段階でメディアの話題として扱われているのは、自身初のスペイントップリーグ参戦でここまでにいくつかの結果を残し、周囲を認めさせてきた久保の実績というところか。そしてこの先、とてつもなく大きな壁や障害を前にしても地道に前進していくことで、さらなる成長が待っているのかもしれない。
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(島田 徹 / Toru Shimada)
島田 徹
1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。