町田最年長MF李漢宰、“ポポヴィッチ流”で目指すJ1昇格の夢 「一つでの多くの喜びを」
「このまま自分は終わってしまうのか」 心が折れかけた状況から復活して残留に貢献
FC町田ゼルビアは通算7年に及んだ相馬体制に終止符を打ち、2011年にチームをJ2昇格に導いたランコ・ポポヴィッチ監督を9年ぶりに招聘した。パスワーク重視のオートマチックなスタイルに挑戦するなかで、精神的支柱として期待されるのが所属7年目の李漢宰だ。指揮官の勝手を知る最年長は「新しいゼルビアのサッカーを見せたい」と意気込む。
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2018年にJ2リーグ4位の好成績を収めた町田だったが、昨季は最終節まで残留争いに巻き込まれ、18位フィニッシュの苦しいシーズンを送った。李漢宰自身も開幕から3カ月近くベンチ外。夏場以降にポジション争いに舞い戻り、重要なラスト3試合でスタメンを任されてチームの降格危機を救ったものの、「正直、キツかったですよ」と当時を振り返る。
「このまま自分は終わってしまうのかな……」
後ろ向きな気持ちで一時は心が折れそうになったが、「まだこのチームと一緒に歩んでいきたい」という“ゼルビア愛”が李漢宰を再び突き動かした。
「本当の意味でチームを助けるというのは、試合に出てなんぼだと思います。昨シーズンは自分のコンディションが良いなかでもなかなか試合に絡めず、特に6月から夏場にかけて精神的にも肉体的にも非常につらい時期がありました。でも、『まだ終わりたくない』ともう一度強い気持ちを持って、最後に試合に絡むことができたので、少なからず残留に貢献できたかなと。チームが苦しい状況でピッチに立てたのは自信になりましたし、『まだ自分もやれるんだ』と周りに示せたと思います」
町田加入以降ともに戦ってきた相馬直樹監督が退任し、所属7年目の今季はポポヴィッチ監督が就任した。現メンバーには、セルビア人指揮官の下、JFLからJ2昇格を果たした2011年当時を知る選手はいない。そのなかでは、2009年に大分トリニータで共闘しているMF井上裕大と、2006~07年にサンフレッチェ広島で選手とコーチの関係にあった李漢宰には指南役としても期待が懸かる。