“改革期”の若きドイツ代表への影響は? 「EURO延期が持つ意味」を独紙分析
新型コロナ感染拡大によりEURO開催が1年延期、ドイツ代表には利点が多い?
欧州サッカー連盟(UEFA)は17日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今年夏に予定されていた欧州選手権(EURO)の開催を1年延期すると発表した。競技レベルではワールドカップ(W杯)と同等か、それ以上と言われる同大会だけに、落胆したサッカーファンも多かったかもしれない。ただし、参加が予定されていたドイツでは、今回の決定をポジティブに捉える論調もあるようだ。ドイツ紙「ビルト」は、「EURO延期が持つ意味」との見出しで特集記事を掲載し、同国代表チームへの影響を分析している。
ドイツは2018年ロシアW杯では同国史上初となるグループリーグ敗退に終わり、さらに同大会後に行われたUEFAネーションズリーグでもグループステージ最下位となっていた。この極度の不振からチームを立て直すため、昨年3月にヨアヒム・レーブ監督はFWトーマス・ミュラー(バイエルン・ミュンヘン)、DFジェローム・ボアテング(バイエルン)、DFマッツ・フンメルス(ドルトムント)の3選手に、今後は代表チームに招集しないことを通知。14年ブラジルW杯優勝時の主力メンバーを外して、若手を積極的に起用する方針を打ち出していた。
本来であれば、このチーム改革が始まってから1年弱でEURO本大会に臨まなくてはならなかったのだが、延期になったことでチームの完成度を上げるための時間をより多く確保できるようになった。このことを「ビルト」紙は、ドイツにとっての最初の利点として挙げている。
さらに、新生ドイツ代表の攻守の要と目されているMFレロイ・サネ(マンチェスター・シティ)とDFニクラス・ジューレ(バイエルン)が、ともに怪我で現在は長期離脱を強いられていたが、EUROが延期になったことで彼ら抜きで同大会に臨まなくてはならない事態も避けることができたという。
逆に延期になったことのデメリットとしては、今後チーム再建が期待通りに進まなかった場合、ミュラーらベテラン選手の復帰待望論が再燃してチーム内外が騒々しくなる可能性があること、準備の時間をより多く得たことでレーブ監督に求められる結果のハードルが上がったことが挙げられている。
果たして今回のEURO延期は、チーム再建中の若きドイツ代表に1年後、どのような結果をもたらすのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)