「ネイマールより凄い」 本田参戦のブラジルで“8年”戦う日本人FW、手にした栄誉と描く未来
決勝で殊勲の2ゴール、サポーターの歓喜の大合唱にブラジルメディアも反応
チームがブラジル全国選手権1部を戦った15、17年はベンチ入り止まりで、同リーグでの出場はならなかったが、16年には同選手権2部でプレー。だが、レギュラーの座をつかむことはできず、出場機会を求め、18年に全国選手権4部、サンタカタリーナ州1部のインテル・ジ・ラージスにレンタル移籍した。新天地では出場機会は増えたものの、シーズン1得点と結果を残すことはできず、19年にサンパウロ州2部だったポルトゲーサに移籍。その後「もう一度、自分の原点に帰ろうと思った」と、レンタルで古巣フリブルゲンセに5年ぶりに復帰した。
久々に定位置をつかんだ東城は、ほとんどの試合でスタメン出場を果たし、水を得た魚のようにピッチを動き回った。決勝では、1-1で引き分けたホームでの初戦で1ゴールを決めると、2-1で勝利した敵地での第2戦も先制点となる相手のオウンゴールにつながるパスを出し、さらにカウンターから2点目のゴールも決めた。
プロ8年目で初の歓喜――。地元リオのネットメディア「フッチリオ」には、「フリブルゲンセの最近の歴史の中で最も大事な試合で、トシヤがゴールを決めた」と、活躍を報じられた。
サポーターたちは優勝が決まると、即興で歌を作り「トシヤはネイマールよりも凄い!」とスタンドで歌い続けたという。ブラジルの大手メディア「グローボ」も、このサポーターの歌に反応。「ネイマールよりも凄い?」の見出しで、「日本人のヒーローがフリブルゲンセにタイトルをもたらした」と、ブラジル代表FWネイマールの名前を用いて優勝を報じた。東城は試合後のヒーローインタビューでは、流暢なポルトガル語で喜びを表現。これまで通訳なしで、1人で戦ってきた8年間の集大成とも言える瞬間だった。
そして今年、東城はフリブルゲンセに完全移籍。年明けに行われた1、2部入れ替えリーグ戦でチームは初戦から3連敗し、1部復帰は逃したものの、その後、敗退チームの中から来年の1、2部入れ替え戦への出場チームを決めるリーグ戦を突破し、来季の入れ替え戦出場権を獲得した。 最終戦ではゴールを決め、チームに勝利をもたらしている。