歓喜を呼んだ15年間の絆 “幼馴染コンビ”がゴールで紡いだ日本の未来
未来へ続く久保と原川の物語
昨季1年間公式戦でゴールを決めることがなかった原川の鮮やかな一撃は自分のことのような喜びだった。ストライカーとゲームメーカーは山口市内で育った。小学校時代からトレセンで同じチームで切磋琢磨し、山口市立鴻南中では同級生。ともに京都サンガFCの下部組織にスカウトされた。幼少時から得点力不足という慢性的な問題を抱える日本サッカー界で将来を嘱望されていた久保にとっても、原川の技術は特別な存在に映ったという。
「ずっとうまいですね。昔からずっとうまい選手。今も上手いですし。変わらず上手いなっていう。ポジションは違います。でも、切磋琢磨しあってきたんじゃないかなと思います。」
15年近い時間を共にしてきた同志。阿吽の呼吸はピッチ上に存在するのだろうか。「まあ、タイミングが良ければ出てきます」久保は照れる様子だったが、「なんか変な感じもしますけど、まあやっていて楽しい。やりがいはあります」
山口、京都、そして、リオと共闘の場所は変遷した。リオ五輪、そして、その先のA代表に向けて久保と原川の絆はピッチ上で深みを増していくことになるだろう。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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