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英メディアが今夏のマンU補強を一刀両断 今季も強豪復活はいばらの道
大物獲得が困難となっているマンUに「昨夏と同様にひどい夏をすごしている」
「彼らは世界一裕福なクラブのひとつではある。資産価値は18億ポンド(約3060億円)。しかし今の困難から抜け出す買い物さえできずにいる。確かにマルコス・ロホを1600万ポンド(約27億2000万円)でスポルティング・リスボンから買い取った。しかし大物は移籍を拒否している」
まず書き出しから痛烈だ。
ここからホワード記者は、トーマス・ミュラーのマンチェスター・U移籍拒否について書いている。「非常に破格のオファーだったが、僕の心はミュンヘンにある」という本人のコメント入りである。
この記事によると、マンチェスター・Uはミュラーに、現在のバイエルンの年俸倍増オファーをしたらしい。推定で1250万ポンド。日本円で約21億2500万円という超大型年俸だ。
しかしミュラーはこの超破格オファーをつれなく袖にした。
一方マンチェスター・Uは、すかさずこの報道を否定した。しかしホワード記者は、「私のドイツの情報元は“マンチェスター・Uは今夏どころか、去年からミュラーを追っている”といっている」と主張する。
またドルトムント所属のマルコ・ロイスもマンチェスター・Uのオファーを断っていたらしい。
ホワード記者はその根拠として、「我々は彼(ロイス)と契約したかったが、我々の前にマンチェスター・Uが大型契約を提示していたにも関わらず、断ったと告げられた。それでは(マンチェスター・Uより)かなり劣る契約を提示しても仕方がないとあきらめた」という、Aマドリードのセレソ会長の発言を引用している。
さらに、ザ・サンの主任ライターは、「昨季はロナウド、ベイル、ファブリガスを逃した上、ティアゴ、ディ・ロッシ、ベインズにも逃げられた。現在ディ・マリア獲得が噂に上っているが、スウォンジーとの開幕戦で露呈した中盤中央の補強はどうなっているのか。確かに今季、エレーラは獲得した。しかし本当に欲しかったトニ・クロースはレアル、ファブリガスはチェルシーへ移籍した。またルーク・ショー獲得に3300万ポンド(約56億1000万円)も費やして、今週同じポジションのロホを獲得。これでは昨夏と同様“ウッドワードはひどい夏をすごしている”としかいいようがない」と、今夏のマンチェスター・U補強を一刀両断している。
しかし、これは元イングランド代表FWアラン・シアラーも指摘しているが、大物獲得を狙う場合、欧州CL出場権がないというのはやはり不利だ。
超一流選手にとっては、欧州CL出場権を逃したクラブというのは、いわば降格クラブ。財政的にも欧州CLのテレビ放映権を逃せば大きな減収となり、この事実からも欧州CL出場権がないということは、クラブの大きな格下げにつながる。
昨季は歴史的な超大物監督の引退で求心力が下がったわけだが、ファン・ハールというビッグネームを擁しても、今季は欧州CL出場権を逸したことで大物補強が難航。マンチェスター・Uの強豪復活の道は、こんなところでもいばらの道となっている。
【了】
森昌利●文 text by Masatoshi Mori