バレンシア、CL無観客試合を見守った“唯一のサポーター”に脚光 「観客としてそこに…」
昨年死去したサポーターのナバーロさんの銅像が注目される
バレンシアは現地時間10日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16アタランタ戦の第2戦に臨み、3-4の敗戦。2試合合計4-8で敗退が決定した。この試合は無観客で行われたが、そこに居合わせた“唯一のサポーター”が話題を集めている。
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バレンシアはアウェーでの第1戦を1-4で落とし、ホームでの大逆転を期して第2戦を迎えた。しかし、欧州でも感染拡大中の新型コロナウイルスの影響で、無観客での開催が決定。ホームサポーターの後押しを受けられない状況で、キックオフの瞬間を迎えた。
試合は開始直後の前半3分にアタランタのスロベニア代表FWヨシップ・イリチッチに先制ゴールを決められ、苦しい展開に。同21分には元フランス代表FWケビン・ガメイロが同点としたものの、同43分には再びイリチッチに引き離されてしまう。
それでもバレンシアは後半6分にガメイロの2点目で同点とすると、同22分にはMFフェラン・トーレスが逆転弾を記録。そのまま勝ち切りたいところだったが、同26分、37分とイリチッチにゴールを割られ、打ち合いとなった一戦を3-4で落とした。この結果、CLからの敗退が決定している。
無観客によってホームでのアドバンテージを一つ失っていたことは間違いないバレンシア。悔しい敗退劇となったなか、脚光を浴びているのはこの試合でバレンシアのホームスタジアムであるメスタージャにいた“唯一のサポーター”だ。スタンドにはある人物の銅像が腰掛けていた。
スペイン紙「マルカ」は「1人のバレンシアファンが観客としてそこにいた。彼の名前はビセンテ・ナバーロ。生涯をバレンシアサポーターとして過ごし、54歳の時に失明しても試合に通い続けた人物だ」と紹介。2019年にナバーロさんが死去してから、バレンシアは彼がいつも座っていた席に銅像を設置した。奇しくも無観客試合によって、その存在がフォーカスされることになっている。
多くのファンにとって残念な無観客試合だが、そんな時でもスタンドからチームを見守るというのは、生涯を懸けてバレンシアを愛し続けたナバーロさんの“特権”なのかもしれない。