手倉森監督を男にした“燻し銀の男” リオ五輪決定弾の原川「恩返ししないといけない」
先制点の久保とは山口県の同じ中学出身の絆
この日、先制点を決めた久保裕也(ヤングボーイズ)とは、同じ山口県出身で鴻南中 の同級生。共に京都の下部組織に進み、トップ昇格を果たすなど、切磋琢磨(せっさたくま)してきた間柄だ。その2人のゴールで、五輪出場を決めた。
「ずっと一緒にやってきた。そういう選手とこういうところで、できてうれしい。もっともっと上に行って、もっともっと刺激を与え合いながら、もっともっと上の舞台で同じピッチに立てればうれしい」
今夏の行き先は、リオデジャネイロに決まった。2人の終わりなき旅はまだまだ続く。
だが、その前に宿敵との対戦が待っている。決勝戦の相手は、永遠のライバルである韓国だ。アジア最強の称号を手に、リオへと勇躍乗り込む。原川は、そのための大一番へと気持ちを切り替えた。
「一つの目標を達成できたことが非常にうれしか ったし、達成感もあった。ただ、先を見ないといけないと思うので、6連勝にこだわっていきたい」
伸び盛りの若き日本代表は逆境を抜け、さらなる成長の場を目指す。彼らは、その道のりのスタートを切ったのかもしれない。原川の力強い言葉は、その宣誓にも聞こえた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
田口有史●写真 photo by Yukihito Taguchi