“神様”ジーコ、「最高の瞬間4選」を英メディア特集 伝説のFK、鹿島時代の芸術弾も紹介
天皇杯で見せた芸術ボレーは「ほぼ不可能なスコーピオンキック」と称賛
サッカーの“神様”と慕われ、Jリーグ創設以降の日本サッカー界に多大な影響を与えた元ブラジル代表MFジーコ氏は、1970年代から80年代にかけて世界的スーパースターの1人として数々の名シーンを生んできた。英メディア「90min」は、そんなジーコ氏のプロキャリアにおける4つの“最高の瞬間”を選出。1982年スペイン・ワールドカップ(W杯)で決めた伝説のFKのほか、鹿島アントラーズ時代の“スコーピオンキック”も紹介されている。
現役時代、「白いペレ」とも称されるほどの卓越したテクニックと得点力を誇ったジーコ氏は、母国の名門フラメンゴで長くプレー。ブラジル代表として1978年、82年、86年とW杯に3度出場し、89年に引退するものの、91年に鹿島の前身である住友金属に加入し、“常勝軍団”の礎を築いた。
そんなジーコ氏のキャリアで最も輝かしい瞬間と言えるのは82年のスペインW杯であり、今回の特集の中でも2つ選ばれている。1つは名将テレ・サンターナ監督の下でソクラテス、ファルカン、トニーニョ・セレーゾとともに「黄金のカルテット」を形成し、2次リーグでイタリアに2-3で敗れるまで数多くのゴールを演出したこと。「ブラジルサッカー史上最も魅了したチーム」の主役の1人として、最高の瞬間を過ごした。
そのなかでピックアップされたのが、1次リーグのスコットランド戦(4-1)で決めた伝説のFKだ。ゴール正面約20メートルの距離から右足で狙った鋭いシュートは、美しい軌道を描いてゴール右上隅へ。GKがほとんど反応できなかった一撃は、ポストに当たりながらゴールに吸い込まれた。
そしてフラメンゴ時代の81年、日本で開催されたインターコンチネンタルカップ(トヨタカップ)での優勝も選ばれたなか、日本のサッカーファンとして嬉しいのが93年の天皇杯でのスーパーゴールが選出されたことだ。
2回戦の東北電力戦(6-1)の後半32分、敵陣ペナルティーエリア内に走り込み後方からの浮き球パスに反応したジーコは、ジャンプしながら体を捻り右足のヒールでボレー。これが絶妙なループシュートとなって相手GKの頭上を越えると、そのままゴールに吸い込まれた。この伝説の一撃を同メディアは「ほぼ不可能なスコーピオンキック」と称えている。
世界最高峰の舞台で数々の功績を残し、世界中のサッカーファンに愛されたジーコ氏。その偉大さが改めて分かる4つの最高の瞬間となっている。