躍動する鎌田大地、“高速アタック”で放つ輝き 絶妙スルーパスに見えたドイツでの進化
速いサッカーのなかで「長いスプリントをしてチャンスを作れていた」
「(今日のポジションは)右サイドハーフですけど、上手く中に絞りながらプレーというのは意識していました。コスティッチは速さもあるし、アンドレ・シウバも今かなり調子がいいので、前3人で仕掛けきれるシーンが今日もいっぱいあった」
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鎌田はこの日のプレーをこのように振り返ったが、同ポジションでプレーした1週間前の第1戦と比べて、攻撃時のポジションがより幅広くなっていた点を尋ねてみた。その動きがあったからこそ、この1点目は生まれたのだから――。
「守備の時はサイドハーフという感じですけど、攻撃はそこまで決まり事がなくて。僕自身は内に入ってやれと言われている。中に入って右サイドバックが少し高めの位置を取ったりだとか、少し変則的というか、形になっているのかなと思います」
その後も起点として攻撃に絡んでいく鎌田だが、この日、自身が感じていたポジティブなプレーは得点につながったものだけではなく、他のシーンについてだった。
「前半の最初のシュートは、カウンターのシーンであれだけ上手く、長いスプリントをしてチャンスを作れていた。こっちにきて、そういう速いサッカーをしているなかで、自分自身ああいうプレーもできるようになってきているので。ウチ(のサッカー)は特に速いと思うし、コスティッチとかもっと速い。しっかり長いスプリントとかを、もっとできるようになっていけば、もう少し成長できるのかなと思います」
自分が関われる局面だけではなく、自分から関われる局面を増やすことができている。そのことに手応えを感じていたようだ。プレーメーカーとしてボールを持った動きだけではなく、フリーランの質と量も確実にレベルアップしている。
「やっぱり雰囲気はいいですね、決勝トーナメントに上がると。今日も相手チームはかなり気合が入っていたと思うし、やっぱりホームとアウェーでは凄い差を感じる。やっていて、あれだけ雰囲気がいいので、試合としては、やっている側としてはすごく楽しいという感じですね」
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中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)取得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなクラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国で精力的に取材。著書に『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。