タッチライン際で壊れたメガネの絆 リバプールとクロップに待っていた劇的なフィナーレ
歓喜が生んだ反撃の狼煙
「最高の瞬間だったよ。勢いで監督の方に向かったんだ。見たら、彼はピッチの真ん中にいたんだ。彼のメガネが壊れる音が聞こえたよ」
ララーナのリーグ戦でのゴールは昨年5月のクリスタル・パレス戦にまで遡る。2014年にサウサンプトンから2500万ポンド(約42億円)でリバプールにやってきたが、負傷離脱も多かった。しかし、この試合の最後の最後で大仕事を成し遂げたのは、そんな悩める彼だった。クロップ監督は、チームの一体感を示すセレブレーションを笑顔で振り返っている。
「いつも予備の眼鏡を持っているんだけど、探すことが出来ないんだ。なぜなら眼鏡無しでそれを見つけるのは難しいからね。(ドルトムント時代)バイエルン・ミュンヘンに初めて勝った時にはヌリ・シャヒンが私のメガネを壊した。きょうはアダム・ララーナだったね」
ドルトムントの黄金期を築いた名将がシーズン途中で就任した直後は復調の兆しを見せるも、2016年に入った年明けからはリーグ戦いまだ未勝利と失意の時を過ごしていた。しかし、壮絶なノーウィッチとのシーソーゲームを制した今、チームには復活の狼煙を上げる一体感が、歓喜の輪の中に垣間見えた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
page1 page2