スポーツ界にも影響を及ぼす新型コロナ Jリーグも中断…豪記者が見る今後の課題とは?
3月中にリーグが再開したとしても、現実的な解決策は多くない
もう一度、リーグ再開の時期の話に戻ろう。
今後も感染者と死者が継続的かつ緩やかに増えていくと仮定すると、Jリーグは2020シーズンを進めていくにあたって不安定な状況に陥ることになる。
3人の死者と数百人の感染者によって試合の延期が決まり、3月中旬になっても感染者が減少傾向になければ、選手、スタッフ、審判員、そしてサポーターは公式戦に戻ろうとするだろうか。彼らには拒否する権利があり、これこそが大きな問題に発展する可能性でもある。
五輪開催による長い中断期間もあり、リーグ側がシーズンを完璧に終えようとする場合の選択肢は非常に限られている。3月のうちにリーグが再開するとして、考え得る解決策は少ない。
・五輪期間にも延期された試合を開催する。その場合は中立地も視野に入る。
・来年1月あるいは2月までシーズンを伸ばす。
・ルヴァンカップを完全なノックアウトトーナメントにする。
・ホーム&アウェーではなく、1回戦総当たりの17試合でリーグ戦を終える。
前例のないシチュエーションであり、簡単な答えはない。ただ、試合の延期を決定したことにより、再開の時期に関して関係者を納得させることもJリーグにとっては頭痛の種となることだろう。
今後、リーグの早期再開に向けて外部からのプレッシャーはさらに強まることが予想される。試合の延期が続けば五輪にも影響が及ぶことは間違いなく、サッカー界だけの問題には留まらなくなるからだ。
これからJリーグに生じるであろう問題は、選手たちがピッチに戻ることを安全に感じられないことであり、状況が大きく改善されなければ、その可能性は高まる。特に外国人選手たちにとっては大きな問題だ。
現在の状況は、今後の日本サッカー界に長いスパンで影響を与えていく可能性がある。
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(スコット・マッキンタイヤー / Scott McIntyre)
スコット・マッキンタイヤー
東京在住のオーストラリア人ジャーナリスト。15年以上にわたってアジアサッカー界に身を置き、ワールドカップ4大会、アジアカップ5大会を取材。50カ国以上での取材経験を持ち、サッカー界の様々な事象に鋭く切り込む。