プレミアでVARが「人為的ミス」認める 危険な“踏みつけ”にお咎めなし…現地で物議
チェルシー対トッテナムの試合後、VARの判断にミスがあったとの公式見解が示される
プレミアリーグ第27節のチェルシー対トッテナム(2-1)で、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)がトッテナムのアルゼンチン代表MFジオバニ・ロ・チェルソの危険な踏みつけ行為を見逃したことが物議を醸している。この件についてVARは「人為的ミス」があったことを認めた。
問題のプレーはチェルシーが2-0とリードして迎えた後半6分だった。タッチライン際での競り合いのなか、こぼれ球をキープしようとしたロ・チェルソが、チェルシーのスペイン代表DFセサル・アスピリクエタの右足の脛を踏みつけてしまった。
アスピリクエタは痛みのあまり悶絶し、メディカルスタッフによる治療を受ける中でVARが介入したが、退場に値するプレーはなかったと判断され、ロ・チェルソにはお咎めなしで試合が再開されていた。
しかし、その後にVARオフィシャルはこの試合のVARを担当したデイビッド・クーテ氏による人為的ミスがあったと認め、ロ・チェルソにはレッドカードが提示されるべきだったとの公式見解を示した。試合はチェルシーが2-1で勝利を収めたものの、試合展開に大きな影響を及ぼしかねない大きな判定ミスとなってしまったようだ。
危険なタックルを受けた当事者のアスピリクエタは試合後のインタビューで「レッドカードはおろか、イエローカードすら出なかったのには驚いた」としたうえで、「誰にでも間違いはあるが、何度もリプレイが見られるなら難しいことではなかったはず」と判定に苦言を呈していた。
また、英衛星放送「スカイ・スポーツ」で解説を務める元イングランド代表MFマット・ル・ティシエ氏も「ひどいジョークだ。彼はボールにプレーする意図がなく、(アスピリクエタを)踏みつけた」とロ・チェルソのプレーを批判している。
リプレイ映像でもスパイクの裏で踏みつけていることは明らかなプレーだっただけに、VARの存在意義を問われるような重大なミスとして今後も波紋を広げそうだ。