「本当に上手い」 大久保嘉人、東京Vの若手評価も…飛躍求む「その一歩で勝つか負けるかが…」
守備の局面で見えた課題とは? 「『絶対に負けないぞ』というメンタルがつけば…」
また大久保は、守備の局面でも若手選手たちのプレーに物足りなさを感じるシーンがあるという。
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「相手にここを抜かれたら“やられる”という大事な場面で、潰せるかどうか。でも、そこで行けないんです。バババって(相手に)寄せているのに、そこから簡単にポンってパスを出される。J1(の選手)だったら、そこをパーンって潰すんですけど行かない。試合をやりながら『あ、そこは行かないんだ』って思うシーンがけっこうあって、やっぱりそれだと高いレベルでプレーするのは難しいですね」
J1のトップレベルで戦い続け、日本代表としてワールドカップ本大会やアジア予選など数々の修羅場を経験してきたからこその、若手に対する苦言だった。そしてその後に紡いだ言葉に、日本を代表するストライカーとしてギリギリの戦いに身を投じてきた“大久保らしさ”が詰まっていた。
「もしかすると、練習や練習試合だったから激しく行かなかったのかもしれないし、公式戦ではまた違うのかもしれない。だけど俺は、練習だろうと練習試合だろうと球際で行きますよ。だってそうしないと、公式戦でそのプレーが出ないと思っているから。目の前のボールを取りたいのか、取りたくないのか。相手にパスを出させていいのか、出させたくないのか。その一歩で勝つか負けるかが変わる。小さいところだけど、そこをこだわってやれるかが本当に大事になってくる」
そう熱っぽく語った大久保は「でも……」と続けると、東京Vの未来を背負う若手への期待を口にする。
「本当に上手いですよ。だから、こうしたことができれば間違いなく代表に入ったり、上にも行ける選手ばかり。早いうちに(自分が)今まで経験したことを伝えてあげれば、彼らが変わるんじゃないかなと思って言っています。上手いだけじゃダメ。でも、『絶対に負けないぞ』というメンタルがついてくれば、凄いことになる」
東京Vは23日、アウェーで徳島ヴォルティスとのJ2開幕戦を迎える。全42試合に及ぶ長丁場のリーグ戦。大久保はJ1昇格を「十分狙える」としたうえで、「このサッカーをするのに他は関係ない。自分たち次第」と、自チームのサッカーの精度向上を求めた。
「自信は全然ありますよ」
そう言って笑顔を見せた大久保。“名門”ヴェルディの命運をピッチ内外で左右する存在として、シーズン中も大きな注目が集まりそうだ。
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(FOOTBALL ZONE編集部・谷沢直也 / Naoya Tanizawa)