女子サッカーにゴールやピッチは大きすぎる? 男女名将が“ルール変更”を巡り激論

女子アメリカ代表前監督のジル・エリス氏(左)とファビオ・カペッロ氏【写真:Getty Images】
女子アメリカ代表前監督のジル・エリス氏(左)とファビオ・カペッロ氏【写真:Getty Images】

カペッロ氏の提案に対して、米女子代表の前監督エリス氏が真っ向から反論

 監督して数々のタイトルを手にしてきた名将ファビオ・カペッロ氏が、トークショーの席で人種差別根絶に向けた提言と女子サッカーに対する提言を行なった。しかし、女子サッカーに関する提言に対しては、同席した女子アメリカ代表前監督のジル・エリス氏に真っ向から否定されたと、英紙「デイリー・ミラー」が伝えている。

 第20回ローレウス・スポーツ賞の授賞式に出席したカペッロ氏は、元アーセナル監督のアーセン・ベンゲル氏、元オランダ代表MFルート・フリット氏らとトークショーを行なった。その席でカペッロ氏は人種差別根絶に向けて提言を行なっている。

「ゲームを止めて人種差別について叫ぶ人を探し出さなければならない。スタジアムに来る人のなかにはそれを目的とした人もいるでしょうが、我々はそういった人たちを見つけ出し生涯にわたって禁じさせなければならない。数試合や数年といった罰則ではなく、一生涯の出入りを禁ずるべきだ。彼らがスタジアムに行くことを許してはならない」

 人種差別を行う人々には厳しく対処すべきと提言したカペッロ氏。続けて女子サッカーについて問われると、独自の見解からルール変更を提案している。

「女子選手にとって、ゴールやピッチは大き過ぎるように思う。バスケットボールやバレーボールであれば、男子選手ほど高くないのでリンクやネットの位置を低くする。GKにとってゴールの大きさが難しくさせているのだと思う。なぜなら、サッカーではジャンプしなければならないから」

 女子サッカーではゴールやピッチを小さくすべきと提案したカペッロ氏の発言に、ジル・エリス氏は眉をひそめ即時に反論した。

「失礼ながら、それには同意できません。それには、男子のゲームが100年以上前からあることを理解してもらわなければなりません。私は、女子サッカーにも身長の高い選手が参加してきているのを見てきています。ゲームの純度はゲームの純度であって、私たちは全員がサッカーを愛しています。今では6フィート(180センチ超)のGKも出てきていて、時の経過と共に運動能力のレベルも進化していっているので修正する必要はないと思います」

 ジル・エリス氏に、大型の女子選手が登場していることを教えられたカペッロ氏。心なしか前述した人種差別根絶に関する提言も説得力が欠けてしまったのだった。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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