久保建英、“幻のアシスト”も…輝き証明 スペイン人記者が絶賛「アラベスを破壊した」

マジョルカMF久保建英【写真:Getty Images】
マジョルカMF久保建英【写真:Getty Images】

【スペイン発コラム】久保はリーグ戦5試合連続の途中出場 試合の流れを変え4戦ぶり勝利に貢献

 スペイン1部マジョルカは現地時間15日、リーガ・エスパニョーラ第24節でアラベスとのホームゲームに臨んだ。前節の敵地エスパニョール戦に0-1で敗れたマジョルカは、リーグ戦3試合連続ノーゴールで3連敗。アウェーゲームは開幕から11戦連続未勝利という状況で、ここまでの成績は5勝3分15敗の勝ち点18、降格圏内の18位に転落していた。

 対するアラベスは前節でエイバルに2-1と勝利し、7勝6分10敗の勝ち点27で14位。第7節で2-0と勝利しているマジョルカのホームに乗り込んだ。

 キックオフは現地時間13時。マジョルカ島の気温は12度と空気はやや冷たかったが、太陽の光が眩しく、春の訪れを感じさせる。

 マジョルカのビセンテ・モレノ監督はこの日、システムをエスパニョール戦の4-2-3-1から4-1-4-1に変更。FWラゴ・ジュニオールに代わりFWクチョ・エルナンデスが先発出場した一方、日本代表MF久保建英はリーグ戦5試合連続でベンチスタートとなった。

 試合は序盤、アラベスがペースをつかむも、時間の経過とともにマジョルカが支配を強める。そして前半32分にPKを獲得し先制のチャンスが訪れるも、キッカーを務めたMFサルバ・セビージャのシュートはアラベスGKフェルナンド・パチェコに防がれ、得点を奪うことができなかった。

 久保は後半最初にウォーミングアップをスタートし、ここ最近のなかでは一番早い後半7分にMFアレイシュ・フェバスと代わりピッチへ入った。

 左サイドハーフとしてプレーした久保は瞬く間に試合の流れをマジョルカに引き寄せる。同9分、左サイドを突破してゴールラインギリギリのところからマイナスのクロスを送り、MFダニ・ロドリゲスの一撃をお膳立て。久保にとって今季2つ目のアシストとなったかに見えたが、直前のクチョ・エルナンデスのプレーがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で確認された末にハンドと判定されノーゴールとなった。

 さらに久保は同14分にも、相手DFに囲まれながら積極的にシュートを打ち、枠に飛ばしている。

 そしてマジョルカは同18分に決勝点を記録した。今冬の移籍市場で加入し、この日がマジョルカデビューとなったギリシャ代表DFレオナルド・クトリスの左クロスをクチョ・エルナンデスがゴール前で合わせた。ヘディングシュートは相手GKパチェコのファインセーブに阻まれたが、そのリバウンドを蹴り込み、マジョルカでの初得点を記録した。

 久保はその後、主戦場を右サイドに移し精力的に動くなど、ここ最近のゲームで最も光り輝く試合だったのは間違いないだろう。マジョルカはクチョ・エルナンデスの1点を守り切り、リーグ戦4試合ぶりの勝利。レアル・マドリード戦以来となる15試合ぶりの無失点を成し遂げ、通算成績を6勝3分15敗として勝ち点を21に伸ばしたが、順位は降格圏内の18位のままだった。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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