チリのクラシコ、サポーター暴徒化で試合中止 GKが見せた平和的“珍行動”に世界注目
ピッチに花火が投げ入れられたクラシコは試合中止
チリ1部リーグ第4節でコロコロ対ウニベルシダ・カトリカのクラシコが行われたが、サポーターが投げ入れた花火をきっかけに試合は荒れて中断する事態となった。そのなかでウニベルシダ・カトリカのGKマティアス・ディトゥーロが見せた行動が、喧騒のなかで平穏を感じさせてくれると話題になっている。英紙「ザ・サン」が報じている。
コロコロ対ウニベルシダ・カトリカのクラシコは現地時間16日に行われた。そして、事件はホームのコロコロが2点リードされた後半26分に起こった。ピッチ上に投げ入れられたロケット花火がコロコロFWニコラス・ブランディの足元で爆発。ブランディはそのままピッチに倒れ込んでしまい、試合は中断された。ブランディはももに軽い裂傷を負った程度だったが、その後に火のついたサポーターは暴徒化。ピッチ上にさまざまな物が投げ入れられる状況となってしまった。試合の続行は不可能と感じた主審は、そのまま試合の中止を決定。選手や審判団はスタッフたちが差す傘で、投げ入れられる物から身を守りながらピッチを後にした。
そういった喧騒のなかで、対戦相手としてゴールを守っていたウニベルシダ・カトリカGKディトゥーロの行動が注目を集めている。試合が中断されている時、コロコロのサポーターがスタンドから投げ入れたスマートフォンを拾ったディトゥーロは、その電話を耳に当てて応答したのだった。なにやら聞き取ろうとする様子を見せた後で、チームメートにも応答を要求して手渡していた。その映像をチリのテレビ局「カナル・デル・フットボル」がSNSで公開すると、喧騒のなかで感じる平穏として瞬く間に世界中へ広がった。
しかし、サポーターの暴動は収まらなかったようで、試合中止が決定された後もスタジアムの外で暴徒と化した一部のサポーターが破壊行為を続けたという。これに対してコロコロは声明を出し、犯人を特定して永久に出入りを禁ずると表明している。