PK“9人連続失敗”の珍事をメンタル面から分析 連鎖反応が起きやすい心理状態とは?
蹴った直後のキッカーの視線にも注目
また大儀見氏は、キッカーに心理的な負荷がかかるPKの場面では、視線の方向に注目するとその選手のメンタルが見えてくると語る。
「サッカーでもゴルフでも、プレッシャーを感じると球筋が気になって、打つ瞬間に顔が上がってしまいます。そうなると上体が開いて、ボールが浮いてしまいますよね。ボールをセットしたポイントに視線を少し残すイメージで打つ、『クワイエット・アイ』という方法を使うと、いつも通りに蹴れます。今回シュートを浮かした選手にも、瞬間的に顔が上がってしまっている選手がいたと思います。集中していても、結果が気になって、過集中や過注意の状態になっていたのかもしれません」
無論、イニエスタのようにGKの動きを見て蹴るタイプの選手には当てはまらないが、蹴り込む場所を決めている場合には有効だ。
「10人目」になるかもしれないというプレッシャーがかかったのは、後攻・神戸の7人目となったMF山口蛍だ。しかし日本代表に名を連ねるボランチは、これらのネガティブなメンタル要因を回避して右サイドにシュートを流し込み、異例の展開となったPK戦に終止符を打った。