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名主審コッリーナ氏、“VAR頼み”の風潮に苦言 「必要なくなるのが目標だ」
名レフェリー・コッリーナ氏は事前に対戦チームの研究をすることの重要性を主張
サッカー界では近年、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に注目が集まり議論を呼んでいるが、2002年の日韓ワールドカップ決勝で笛を吹いた名レフェリーのピエルルイジ・コッリーナ氏は、イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のインタビューで「必要なくなるのが目標」と話した。
コッリーナ氏はスキンヘッドの名レフェリーとして有名になり、セリエAの全盛時代にビッグマッチを多く担当。そして、国際大会でも存在感を発揮した。そのコッリーナ氏だが、VARについては最終的に必要のない状態に戻ることを理想とすべきだという考え方を明らかにしている。
「レフェリーはテクノロジーがあるかないかに関係なく、決断を下さなくてはいけない。だから、VARは必要なくなるのが目標だと言える。なぜなら正しい判定を下すために仕事をして、そのために準備をするからだ。そしてミスがあった時に、それがミスであったと自覚していたかにかかわらず、避難用のパラシュートが用意されていると考えられるのがVARだ」
コッリーナ氏はいわゆる「VAR頼り」になりがちな風潮に苦言を呈した。そして、その準備の部分について「選手たちの特性やチームの戦術について学ぶこと。それは即興で行われていたものだが、今では重要な準備の一部分だ」として、事前に対戦チームの研究をすることの重要性を説いた。
ミスジャッジには批判がつきものであり、イタリアはそれが厳しい国の一つだ。コッリーナ氏は「批判が正しいものであったとしても、悩まされたものではある」と話す一方で、「自分を成長させる材料ではあった。私は間違いを犯した。だが、最善の努力をせずに犯した間違いはない」と、名レフェリーならでは矜持を口にした。
来週に開幕するJ1でも今季からVARが導入される。それでも、まずはピッチ上のレフェリーが判定に対して最善を尽くすというのは、今も昔も変わらない大切なことだとコッリーナ氏の言葉は示していると言えるはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)