“壊滅的”なマジョルカと不遇の久保建英 現地記者が持論「彼に対してもっと我慢強く…」
またも勝負弱さを露呈… アウェー成績は1分10敗という壊滅的な状況
1点を追う展開となったマジョルカのビセンテ・モレノ監督は、すぐさまベンチワークを行い、後半20分に久保、同27分にクチョ・エルナンデスを立て続けに投入。システムを4-4-2に変化させ、久保は右サイドハーフでプレーした。
しかし、マジョルカはエスパニョールの勢いを止められなかった。限られた出場時間のなか、久保はパスをあまり受けることができず、またもや守備に多くの時間を費やした。時折、左サイドに流れてドリブルを仕掛け、同41分には相手1人をかわして決定的なマイナスのクロスを入れるも、ゴール前にフリーで待ち構えたDFマルティン・ヴァリエントのシュートは枠を捉えられず、同点に追いつくことはできなかった。
マジョルカにとってはそこまで悪い内容の試合だったわけではないが、またもやアウェーで勝負弱さを露呈し、0-1で敗れて3連敗となった。これで最下位のエスパニョールに勝ち点で並ばれ、セルタが勝利したため降格圏の18位に転落。さらにアウェー成績は11試合0勝1分10敗で、20チーム中最低勝ち点という壊滅的な状況が続いている。
スペイン紙「マルカ」は試合翌日の紙面で、久保の評価について1点(最高3点)をつけた。チーム最高点はMFサルバ・セビージャ、MFイドリス・ババ、FWアンテ・ブディミルで2点。それ以外の選手は全員久保と同じ1点だった。
スペイン紙「AS」の久保評価も1点(最高3点)。GKマノロ・レイナ、ヴァリエント、イドリス・ババ、サルバ・セビージャがチームトップの2点、それ以外の選手たちは全員1点となっている。
試合後、スペインのラジオ局「オンダ・セロ」でエスパニョール担当を務めるホセ・アグスティン・ゴメス記者は、この日の久保について「キレ味鋭いプレーを見せていたし、何かをやろうという意欲があった。しかし、エスパニョールは試合に勝つ必要性が大いにあったので、久保にプレーさせないようにファウルを用い、あらゆる形で必死に彼を止めようと努めていたよ」と、エスパニョールが守備時に久保を自由にさせないように対応していたことを強調した。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。