ゼロックス杯制した神戸監督、ポドルスキの“穴埋め”プランに言及 「特に責任を負うことが…」
神戸のフィンク監督、昨季限りで退団したポドルスキについて問われて回答
Jリーグのシーズン開幕を告げる富士ゼロックス・スーパーカップが8日、埼玉スタジアムで行われ、昨季のJ1優勝チームである横浜F・マリノスと天皇杯優勝チームのヴィッセル神戸が対戦。3-3で突入したPK戦を3-2で制した神戸がタイトルを手にしたなか、トルステン・フィンク監督は昨季まで所属した元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキの不在について問われ、「チームとして他の選手にも責任を持ってもらう」と今季を展望している。
試合は互いに点を取り合うシーソーゲームとなり、計6ゴールが生まれる乱打戦に。3-3で90分を終え、規定によりPK戦に突入した。PK戦では2人目までは全員が成功したが、そこからは両チーム合わせて9人が連続で失敗する展開となり、最後は神戸の7人目となった日本代表MF山口蛍が成功し、試合を決めた。
神戸を率いるフィンク監督は試合後、「どっちに転ぶか分からない、面白い試合展開だった」と振り返ったうえで、「我々にとっては(元日の天皇杯を含めて)今年2つ目のタイトルでもあり、良い年の始め方になったと思います」と表現。昨季のJリーグ王者相手の勝利を喜んだ。
今回の試合では清水エスパルスから加入したFW ドウグラスが、移籍後初の公式戦出場となり、前半27分には先制点も記録。新エースとして期待がかかる一方、昨季まで所属したポドルスキ(→アンタルヤスポル)と元スペイン代表FWダビド・ビジャ(→現役引退)の“穴埋め”もポイントだ。記者会見でポドルスキ不在の影響を訊かれたフィンク監督は、次のように答えている。
「ポドルスキ選手は確かに能力の高い選手でしたし、特に責任を負うということが大きかったです。天皇杯の決勝でも責任を背負って良いパフォーマンスを出してくれました。彼の役割をカバーすることはできないと思いますが、チームとして他の選手にも責任を持ってもらって、補強でもドウグラス選手を獲得しているので、一つの役割として(ポドルスキの担っていた仕事を)やってもらおうと思っています」
ポドルスキはチームの先頭に立ち、勝敗の責任を引き受けることも厭わなかった。指揮官にとって、その穴は誰か1人で埋めるものではなく、新加入のドウグラスも含めたチーム全員で補っていくものだという。さらに「今後は若い選手にも能力を発揮してもらって、責任を背負ってもらうというのが、理想の展開です」とも続けており、実力と責任感を兼ね備えた若手の台頭に期待を寄せていた。
元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタと並び、神戸の“顔”と言える存在だったポドルスキ。その不在を感じさせないようなシーズンとすることは、今季の神戸にとって大きなテーマの一つと言えるかもしれない。