神戸が富士ゼロックス杯初制覇! 3-3の死闘、PK戦で横浜FM撃破、両軍合計6発は大会史上最多
ドウグラスの先制点を皮切りに両チームの攻撃力が炸裂! PK戦でも「9人連続失敗」の大熱戦
Jリーグの新シーズン幕開けを告げる富士ゼロックス・スーパーカップが8日、埼玉スタジアムで開催され、天皇杯王者のヴィッセル神戸が2019年J1リーグ優勝の横浜F・マリノスと対戦し、3-3の末にもつれ込んだPK戦を3-2で制し、同大会初出場で初優勝を果たした。両チーム合わせて6ゴールは、27回目を迎えた同大会で史上最多となっている。
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J1王者の横浜FMは昨季MVPの日本代表FW仲川輝人やFWマルコス・ジュニオールら主力がスタメンに名を連ねるなか、新加入FWオナイウ阿道が先発。一方の神戸も、調整の遅れが伝えられていた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ、日本代表FW古橋亨梧らに加えて、新たな得点源として期待される新加入FWドウグラスがスタメンに名を連ねた。
序盤は横浜FMがボールをつなぎ、神戸が前線からの守備でチャンスを窺う展開。前半21分、古橋が高い位置でのボール奪取に成功すると、右サイドをドウグラスが抉りマイナスクロス。これをイニエスタが右足でシュートを狙ったが、横浜FMの主将MF喜田拓也が間一髪クリアした。その流れで得たCKから同23分、神戸はドウグラスがヘディングでゴールネットを揺らすが、オフサイドの判定でノーゴールに。この場面では初めて、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によるチェックが行われたが、判定は覆らなかった。
しかし試合の流れは神戸に傾いており、4分後にスコアが動く。敵陣左サイドでボールを得たイニエスタが中央へドリブル。相手DF2人に行く手を阻まれるも、その間を軽く浮かせたスルーパスを通し、走り込んだドウグラスが左足を振り抜き移籍後初ゴールを叩き込んだ。
なかなかリズムをつかめなかった横浜FMだが、前半36分にワンチャンスを生かす。敵陣でマルコス・ジュニオールの突破を神戸DFがクリアしたボールが、神戸ゴール方向へ転がる。これにいち早く反応した仲川が触ると、浮いたボールをマルコス・ジュニオールがヘディングシュートで合わせた。このシーンでも仲川がボールに触った後に神戸GK飯倉大樹と激突したため、VARによるチェックが行われたが、ゴールは認められた。
1-1となり試合が落ち着くかと思われたが、同40分に横浜FMのミスから神戸に2点目が生まれる。前に出てビルドアップに参加していたGK朴一圭のパスをDFチアゴ・マルチンスが戻そうとするも、神戸FW古橋が奪取。すぐに左足で無人のゴールへと流し込んだ。
点の取り合いとなったゲーム展開は、後半に入っても変わらない。1点を追う横浜FMは後半9分、左サイドで途中出場のMF遠藤渓太のスローインからFWエリキが中央へ折り返すと、走り込んだMF扇原貴宏が左足で合わせて再び2-2の同点に追いついた。
直後には神戸がチャンスをつかむなど、両者が攻め合う展開は変わらず。ともに決定機をつかむなかで、神戸が再びリードを奪う。後半24分、イニエスタからのクロスを横浜FMがいったんクリアするも、こぼれ球を山口が豪快に右足で叩き込んで3-2とした。
だが、シーソーゲームとなった一戦は、これで終わらない。4分後、横浜FMが早い攻撃から左サイドを遠藤が崩し、最後はエリキが押し込み三たび同点に追いついた。その後も両者が決定的チャンスを迎えながら勝ち越しゴールは奪えず、90分が終了。決着はPK戦に委ねられた。
PK戦では2人目まで両者とも成功したが、横浜FM、神戸ともに3人目、4人目、5人目と6人連続で失敗。さらに6人目も先攻の横浜FMはDF和田拓也が、後攻の神戸はDFトーマス・フェルマーレンが決められなかった。7人目も横浜FMのMF遠藤渓太が決められず9人連続の失敗となった一方、神戸は山口が冷静に決めてPK戦を3-2で制した。
なお、今年で27回目を迎えたゼロックス杯で、両チーム合計6ゴールが生まれたのは史上最多。これまで1997年の鹿島アントラーズ対ヴェルディ川崎(3-2)、2017年の鹿島対浦和レッズ(3-2)、18年のセレッソ大阪対川崎(3-2)での両チーム合計5ゴールが最多だった。エキサイティングな試合展開となった王者同士の一戦は、リーグ開幕への期待を高める好ゲームとなった。