神戸FW古橋亨梧、攻守の“キーマン”が語る現在地 「やらないといけないことが多い」

この試合2点目を決めたヴィッセル神戸FW古橋亨梧(写真中央)【写真:Getty Images】
この試合2点目を決めたヴィッセル神戸FW古橋亨梧(写真中央)【写真:Getty Images】

横浜FM戦では守備時にシャドー、攻撃時は左ウイングのように振る舞う変則的な形に

 Jリーグのシーズン開幕を告げるフジゼロックススーパーカップが8日、埼玉スタジアムで行われ、昨季のJ1優勝チームである横浜F・マリノスと天皇杯優勝チームのヴィッセル神戸が対戦。PK戦を制した神戸がタイトルを手にしたなか、日本代表FW古橋亨梧は「まだまだ掴みつつ、やらないといけないことが多い」と今季初の公式戦で感じたことを語っている。

 試合は互いに点を取り合うシーソーゲームとなり、計6ゴールが生まれる乱打戦に。3-3で90分を終え、規定によりPK戦に突入した。PK戦では2人目までは全員が成功したが、そこからは両チーム併せて9人が連続で失敗する展開となり、最後は神戸の7人目となった日本代表MF山口蛍が成功し、試合を決めた。

 前半40分に神戸の2点目を決めた古橋は、スピードに乗ったドリブルと前線からの積極的な守備で貢献。ゴールシーンは「僕がプレスを掛ければ嫌がると思っていました」という読みで果敢なプレッシングを仕掛け、相手のミスを誘発してネットを揺らしている。

 また、この試合で特徴的だったのは、神戸が守備時は3-4-2-1システムを採用しつつ、攻撃時は古橋が左シャドーからワイドに開き、そこから中に入っていく形となっていたことだ。やや変則的な形ながら、左ウイングバックの元日本代表DF酒井高徳がタイミング良く攻め上がっていたこともあり、横浜FMの守備に綻びを生じさせることも少なくなかった。

 前線からの守備のスイッチとして、そして攻撃の突破口として、古橋はシステム上の“キーマン”という見方もできる。実際にプレーして得た感触について問われると、やや考え込みながら次のように答えた。

「正直、こうやって実戦をやるのは今季初めてですし、まだまだ掴みつつ、やらないといけないことが多い。ちょっとずつみんなと合わせていけたらなと思います。自分のポジショニングだったり、ボールの動かし方、動き出しだったりをもっと増やして、良いポジションを取らないといけないと思います」

 Jリーグ開幕を2週間後に控えるタイミングということを考えれば、実戦で感覚を確かめられたことは収穫だろう。攻撃時にはトップ下のような形になっていた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタらとの連動性が向上していけば、現在のトライには大きな伸びしろがある。昨季は10得点を挙げて飛躍を遂げた古橋だが、それを上回るインパクトに期待したい。

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