Jリーグ「トップクラス」の守護神は? ドイツの日本人GKコーチ、昨季J1の”全失点”分析

名古屋グランパスのGKミチェル・ランゲラック【写真:Getty Images】
名古屋グランパスのGKミチェル・ランゲラック【写真:Getty Images】

“個”として安定した活躍を見せた名古屋GKランゲラック

 そしてチームの成績は芳しくなかったものの、GKとして印象的なプレーを見せた選手がリーグ13位に終わった名古屋グランパスのミチェル・ランゲラック選手と、リーグ14位に低迷した浦和レッズの西川周作選手です。この2選手はともに「GKが失点に関与しない、防げない失点」、「防ぐことができる、改善できる失点」、「ミスによる失点」のすべてで全体の平均値を上回るポジティブな結果を残し、個として安定した活躍をしていたと言えるでしょう。

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 ランゲラック選手はリーグ戦33試合に出場し、総失点は50失点。そのうち「防げない失点」が27ゴール(54%)、「防げる、改善できる失点」が19ゴール(38%)、「ミスによる失点」が4ゴール(8%)でした。このことからランゲラック選手は防ぐことができるシュートを、しっかりと防いでいたことが分かります。

「防げる、改善できる失点」と「ミスによる失点」の原因で多かったものが、「GKテクニック」で15失点。そして「戦術的ポジショニング」で14失点、「判断」が5失点。ランゲラック選手のプレーを見て感じたのは、相手がシュートを打つ時にできるだけ前に寄せて間合いを詰めて止めていましたが(ゴールディフェンスから1対1への切り替え)、ギリギリ間に合わなかった時にテクニックがぶれてしまい失点することが多いと感じました。

 彼の良さはその寄せやダイナミックさなので、その長所を生かしながらさらにギリギリのところでのテクニックを強化すれば、より相手にとって脅威的なGKになると思います。シュツットガルト在籍時(2015~17年)にはビルドアップや飛び出しの判断が不安定だったので、そこがどう改善されているか今後も注目していきたいです。

 そして失点の種類を見ると、PKでの失点が8失点ありました。PKでの8失点はリーグ最多。名古屋はセットプレーからも多く失点していて、クロスからの失点も9失点と多く、GKとしては防ぐのは難しかったと思います。

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