久保建英とマジョルカ攻撃陣“6人の壁” 序列ダウンの苦境、現地記者「彼にとって…」
スペイン誌記者、久保とウーデゴールは「とても献身的だし、とても若い」
久保は後半開始直後にウォーミングアップを始めたが、最初に出番が与えられたのは今冬の移籍市場で唯一の新戦力であるMFアレハンドロ・ポソ。久保が投入されたのは、チームが2失点目を喫した後の後半26分だった。
ただでさえ苦手なアウェーで2点を追う劣勢のなか、久保ができることは非常に限られていた。ポソが右サイドに入っていたため、久保は4-4-2の左サイドハーフでプレーしたが、ほとんどボールに触ることができず、守備に奔走し試合終了の時間を迎えている。
マジョルカはまたもやアウェーで脆さを露呈し、0-3の敗戦を喫した。リーグ戦成績は5勝3分13敗となり勝ち点18のままだったが、他の下位チームも躓いたため17位をなんとかキープした。しかし、アウェーゲームの成績は10試合で0勝1分9敗と、20チーム中最低勝ち点という悪い状況が続いている。
スペイン紙「マルカ」と「AS」は、試合翌日の紙面で久保の評価について1点(最高3点)をつけたが、プレーには特に言及していない。1点は「マルカ」紙ではGKマノロ・レイナ、MFダニ・ロドリゲス、エルナンデス、ブディミル、ポソの5選手と、「AS」紙ではレイナ、DFアントニオ・ホセ・ライージョ、DFルーマー・アグベニェヌ、フェバス、MFイドリス・ババ、MFラゴ・ジュニオール、エルナンデス、ポソの8選手と並ぶチーム“トップタイ”の評価だった。
試合後、スペインのサッカー雑誌「パネンカ」のイニャキ・ロルダ記者は、この日の久保について「うーん、今日は彼にとってとても難しかったと思うよ。なぜなら出場時間はわずか20分程度と短かったし、すでにチームは0-2で負けていた。さらにレアル・ソシエダがマジョルカにプレッシャーをかけて苦しめていたし、チャンスを何度も作っていたからね」と感想を述べ、久保が非常に厳しい状況のなかでピッチに入ったことを強調した。
対決が注目された久保とウーデゴールについては、「彼らはともにレアル・マドリードからの期限付き移籍でプレーしている選手たちだけど、順調に成長していると思う。とても献身的だし、とても若い。将来、レアル・マドリードに戻りプレーする可能性があるだろうね」と見解を述べた。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。