久保建英とマジョルカ攻撃陣“6人の壁” 序列ダウンの苦境、現地記者「彼にとって…」
【スペイン発コラム】リーグ戦2試合連続のスタメン落ち、チームもソシエダに0-3と完敗
日本代表MF久保建英が所属するマジョルカは26日、リーガ・エスパニョーラ第21節でレアル・ソシエダと、まだ今季のリーグ戦で1勝もしていないアウェーゲームを戦った。
マジョルカは19日に行われた前節、ホームでバレンシア相手に4-1の快勝を収めて17位に浮上し、降格圏からの脱出に成功した。しかし、MF香川真司が所属する2部サラゴサとのスペイン国王杯3回戦が、21日に中1日で行われたため、ビセンテ・モレノ監督はメンバーの総入れ替えを決断。久保はこの試合にフル出場を果たしたものの、普段やり慣れないメンバーでの一戦となったため連係不足は否めず、1-3と完敗を喫し大会を後にした。
対するソシエダは前節、ベティスに0-3で敗れたものの、リーグ戦では6位と上位をキープ。スペイン国王杯3回戦でもエスパニョールに2-0で勝利して、ラウンド16に駒を進めている。
ソシエダ戦のキックオフは18時30分。冬にもかかわらず気温13度と暖かく、日中は“ラ・レアル”が拠点とするサン・セバスティアンの街のテラスでカフェができるほどだった。
今回の対戦ではレアル・マドリードからの期限付き移籍選手である、マジョルカの久保とソシエダのノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴールの対決に大きな注目が集まったが、久保は戦前のスペイン各紙の予想通り、リーグ戦2試合連続でベンチスタートになった。
中盤の大黒柱であるMFサルバ・セビージャが試合直前にインフルエンザでベンチ外になったが、先発のチャンスが与えられたのは久保のポジション争いのライバルであり、サラゴサ戦でチーム唯一のゴールを決めたMFアレイシュ・フェバスだった。
また、ビセンテ・モレノ監督はここ最近、久保を中盤のサイドに起用した1トップシステムではなく、怪我から復帰してきたコロンビア人FWクチョ・エルナンデスをFWアンテ・ブディミルと2トップで組ませた戦い方を好んでおり、久保がその被害者になっている感は否めない。さらにバレンシア戦では、それが大当たりしていた。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。