“伝説のレジスタ”ピルロ、EUROで魅せた美技に再脚光 「天才!」「絶対的に美しい」
EURO公式SNSが2012年大会のプレー集を投稿 強烈FK弾や“パネンカ”PKも収録
2020年のサッカー界で最大のイベントと言えるのが、6月12日から24カ国が出場して行われる欧州選手権(EURO)だろう。開幕まで6カ月を切っているなか、大会公式SNSではEURO2012での元イタリア代表MFアンドレア・ピルロの美技集を公開。ファンから「芸術家」「絶対的に美しい」など大きな反響を呼んでいる。
近年は大会を追うごとに規模が大きくなるEUROだが、今年は24カ国がイングランドのロンドンやドイツのミュンヘンなど、欧州12カ国の都市に分かれて分散開催される。大きく変わる今大会に、並々ならぬ決意で臨むチームの一つが、“アズーリ”の愛称で知られるイタリア代表だろう。ワールドカップ(W杯)優勝4回を誇る世界屈指の強豪国だが、2年前のロシアW杯は60年ぶりの欧州予選敗退。その屈辱から立ち上がり、ロベルト・マンチーニ監督の下で復活を遂げたチームは、EURO予選グループJを10戦全勝の圧倒的な成績で勝ち上がり、本大会では1968年以来2度目の頂点を目指す。
そんなアズーリが近年のEUROで最も輝きを放ったのが、準優勝を果たした2012年大会であり、その中心にいたのが33歳で開幕を迎えた円熟の“レジスタ”ピルロだった。大会前はそれほど前評判の高くなかったイタリア代表だったが、予想を覆す攻撃的なサッカーで躍進。ピルロはその中盤で圧倒的な存在感を見せ、FWマリオ・バロテッリやFWアントニオ・カッサーノら個性的なアタッカーを巧みに操った。
EURO公式ツイッターで公開された2分41秒の動画にも、そんなピルロの凄さが凝縮されている。対峙したマーカーとの間合いをはかりながら緩急自在のドリブル突破でアシストしたシーンに始まり、密集地帯でのバックヒールパス、相手の逆を取るワンタッチフェイントやターンをしながらの巧みなボールキープ、正確無比なロングフィード、強烈なFK弾など、司令塔として求められる技術やセンスを放ち続けていた。
極めつけは映像の最後に収録された、準々決勝イングランド戦でのPK戦だ。3人目のキッカーとして登場すると、相手GKジョー・ハートを嘲笑うかのようなチップキックでシュート成功。イタリアに流れを呼び込んだこの“パネンカ”PKは、伝説のシーンとして語り継がれている。
この回顧動画を公開したEURO公式ツイッターとインスタグラムのコメント欄には、ファンから「芸術家」「天才!」「すごくオシャレ」「エレガント」「フットボールの達人」「最も過小評価されている魔術師の1人」「絶対的に美しい」「静かなる殺し屋」「真のレジェンド」など、称賛の声が殺到していた。
ポーランドとウクライナで共催されたEURO2012から8年が経過しようとしているが、サッカー史に残る名レジスタのプレーは色褪せていないようだ。