南野の緊急投入が「クロップの本心を暴いた」 リバプールに生じ始めた“序列変化”に注目

前半途中投入時にクロップ監督(左)から指示を受ける南野【写真:Getty Images】
前半途中投入時にクロップ監督(左)から指示を受ける南野【写真:Getty Images】

スーパーサブのオリギではなく南野を選んだ采配に注目「多くの人々が眉を上げた」

 リバプールは現地時間23日、プレミアリーグ第24節でウォルバーハンプトンと対戦し、敵地で2-1と勝利を収めた。セネガル代表FWサディオ・マネが前半で負傷するアクシデントに見舞われ、日本代表MF南野拓実が途中出場でリーグ戦デビューを飾った。リバプール専門メディアは、マネの代役として南野を投入する采配に「チームに序列の変化が生じていることを映し出していた」と注目している。

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 今季のリバプールは、ここまでリーグ戦無敗(21勝1分)で首位を独走。1月1日付けで加入した南野は第22節トットナム戦(1-0)、第23節マンチェスター・ユナイテッド戦(2-0)でベンチ入りするも、リーグ戦デビューはお預けとなっていた。しかし、ウルブス戦では思わぬタイミングでその瞬間を迎える。

 前半8分に幸先良く先制するも、同33分にマネが足を痛め、自ら交代を申し出る事態に。南野はこの緊急事態で声をかけられ、クロップ監督の入念な指示を受けると、ついにプレミアリーグのピッチへ足を踏み入れた。5日のFA杯3回戦エバートン戦(1-0)以来の出場となった南野は左に配置されていたが、後半から右サイドハーフのポジションに入れ替わった。

 リバプール専門メディア「リバプール・コム」は「クロップ監督がどのようにチームを見極めているのか、マネの負傷がその本心を暴いた理由」と見出しを打ち、マネの代役として南野をピッチに送り出した采配ついて「チームに序列の変化が生じていることを映し出していた」と指摘。緊急事態でベルギー代表FWディボック・オリギよりも南野が抜擢された交代劇に注目している。

「多くの時間が残されているなかで、オリギではなく南野をピッチに送り出すクロップ監督の決断には、多くの人々が眉を上げた」と触れ、「戦術的な選択だったのかもしれない」と4-4-2システムへの変更を要因の一つとして挙げながらも「ボールの要求に躊躇を見せず、必要な時に帰陣していた」と、指揮官の求めるハードワークを示していたことを強調した。

 2014年にリバプールに加入したオリギは、クロップ体制の下、スーパーサブとして立場を確立している。昨季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝のトットナム戦(2-0)でも、途中交代から勝負を決定づける追加点を決めていた。スピードとフィジカルに定評がある一方、守備が大きな課題として挙げられている。クロップ監督の今回の決断は、両者の今後の起用についてのヒントとなりえるのかもしれない。

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