久保建英“スタメン落ち”のサプライズ 出場10分も…現地記者は好印象「ポジティブ」

「カデナ・セール」のアルベルト・エルナンド記者【写真:Football ZONE web】
「カデナ・セール」のアルベルト・エルナンド記者【写真:Football ZONE web】

意欲を感じさせた久保のプレー、エルナンド記者も好印象「控えめながらも…」

 後半開始直後にウォーミングアップを開始した久保に出番が回ってきたのは、残り10分になった時だった。チームが4-0でリードし、すでに試合の行方がほぼ決まっていた後半35分に投入されたが、久保はピッチに入るとすぐに積極的なプレーを見せた。いきなりイエローカードをもらうと、その後も相手に激しく当たりファウルを取られたが、少ない時間でもなんらかの結果を残そうという意欲を感じさせた。

 その後、攻撃面では二つのプレーでホームの観衆を沸かせている。試合終了間際に相手GKジャウメ・ドメネクにファインセーブされた惜しいシュートを右足で打ち、さらに左サイドから球足の速いグラウンダークロスを送り、ブディミルの決定機を演出した。

 マジョルカは久保不在のなか、前半だけで3ゴールを決めて4-1の圧勝を飾り、スペインの各メディアに今季最高のパフォーマンスと称賛された。リーグ戦で7試合ぶりに勝ち点3を獲得し、連敗を2でストップ。リーグ戦成績は5勝3分12敗の勝ち点18となり、降格圏脱出に成功している。

 スペイン紙「マルカ」、「AS」は試合翌日の紙面で久保の評価について、出場時間が短かったため採点なしにした。また、両紙ともダニ・ロドリゲス、MFサルバ・セビージャ、ブディミルの3選手に最高の3点をつけている。

 試合後、スペインのラジオ局「カデナ・セール」のアルベルト・エルナンド記者は、久保について「タケ・クボは今日ベンチスタートだったが、それはおそらくビセンテ・モレノ監督がサラゴサとの非常に難しい国王杯の試合まで、わずか53時間しかないことを考慮してのものだったと思う」と見解を述べている。

 久保のプレーについては「今日はすでにチームが4-0でリードし、主役の役割がないなかでピッチに入り左サイドでプレーしたが、個人的なパフォーマンスについては、控えめながらもポジティブだったと思う。すでに試合が決まっていたので、簡単ではなかったと思うけどね」と、短時間で決定機を作ったことを評価した。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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