久保建英“スタメン落ち”のサプライズ 出場10分も…現地記者は好印象「ポジティブ」
【スペイン発コラム】現地メディアも“予想外”、バレンシア戦で9試合ぶりのベンチスタート
マジョルカは19日に行われたリーガ・エスパニョーラ第20節で、バレンシアと今年最初のホームゲームを戦った。
日本代表MF久保建英にとって、バレンシアは昨年9月1日にスペインデビューを果たした思い出深い相手なのは間違いない。当時はまだ夏の暑さが残り、気温も30度を超えていた。初めてマジョルカのユニフォームを身に纏っての公式戦、久保は後半34分にFWアンテ・ブディミルと交代でピッチに入り、スペインでの歴史を刻み始めた。
それから4カ月半もの月日が流れた今、久保は若干18歳ながら、自身のプレーで周囲を納得させ、試合に出場するのが当たり前の選手になっている。
マジョルカは現在、スペイン国王杯で1回戦、2回戦と勝利し順調に勝ち進んでいるが、リーグ戦では開幕からアウェー未勝利が続き、第19節終了時点での成績は4勝3分12敗の勝ち点15で、降格圏内の18位に沈んでいた。対するバレンシアは8勝7分4敗の勝ち点31で6位。エースのFWロドリゴを欠き、スペイン・スーパーカップ準決勝でレアル・マドリードに1-3の完敗を喫していたため、マジョルカ戦は名誉挽回のための一戦となった。
バレンシア戦のキックオフは現地時間12時。試合前から強風が吹き、激しい雨が降り注ぐ劣悪なコンディションでの試合となった。
マジョルカのビセンテ・モレノ監督は、バレンシア戦に向けて公式戦ここ2試合で採用してきた5バックからシステムを4-4-2に変更した。そうしたなか、久保がスタメンを外れたことは大きなサプライズとなった。実際、スペインメディアは軒並み、久保が右サイドハーフでプレーすると予想していたのだった。久保は90分間ベンチを温めた第11節オサスナ戦(2-2)以来、リーグ戦で9試合ぶりのベンチスタートとなった。
これまで久保のライバルはMFアレイシュ・フェバスやMFダニ・ロドリゲスだったが、ここにきて怪我が回復しモレノ監督のお気に入りの選手になっているFWクチョ・エルナンデス、セビージャから今冬の移籍市場でやって来たMFアレハンドロ・ポソもポジション争いのライバルになる可能性がある。ポソはバレンシア戦、途中出場で新天地デビューを果たし、右サイドハーフに入ってまずまずのプレーを見せていた。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。