名将ベンゲル、古巣アーセナルの本拠地移転を悔恨「魂はハイバリーに残したままだ」
2006年にハイバリーから現本拠地に移転も…「あの雰囲気を再び作り出せていない」
アーセン・ベンゲル氏が、古巣アーセナルにとって2006年に本拠地スタジアムをハイバリーからエミレーツ・スタジアムに移転したことが大きな転機となったと語った。スタジアム移転でチームの魂が失われてしまったと感じているという。英紙「ロンドン・イブニングスタンダード」が報じた。
アーセナルの旧本拠地はハイバリー地区にあったアーセナル・スタジアムで、“ハイバリー”の愛称で親しまれた。収容人数は3万8500人で、現在の本拠地であるエミレーツ・スタジアムの収容人数6万432人と比べると非常に少なかったが、ピッチとスタンドの距離が近く、臨場感のあるスタジアムとして人気も高かった。
建設費4億3000万ポンド(約615億円)をかけたエミレーツ・スタジアムは大型の現代的なスタジアムとなったが、サポーターと一体となるハイバリーのような独特な雰囲気を作り出すことはできていないようだ。新旧両方のスタジアムを知るベンゲル氏は、その変化を強く感じていたという。
「私はアンフィールドとも似ているハイバリーから移転した。あのスタジアムにはソウル(魂)があった。我々は新しいスタジアムを建設したが、我々のソウルを見つけ出すことはできなかった。ソウルはハイバリーに残したままだ。安全面の理由から同じものを再構築することはできないだろう。ピッチとスタンドの距離は大きくなっている。救急車が入るためのスペースが必要だからだ。スタンドの傾斜がより緩やかになったのもそうした理由だ。あの雰囲気を再び作り出すことはできていない」
ベンゲル氏やハイバリーの雰囲気を懐かしみ、チームの魂は失われたと嘆いた。まだハイバリーが本拠地だった2003-04シーズンを最後にプレミアリーグのタイトルから遠ざかっているアーセナル。新スタジアムでタイトル獲得を成し遂げ、失ったアイデンティティーを取り戻すことができるのだろうか。
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(FOOTBALL ZONE編集部)