「解任」妥当な惨敗も…森保監督が更迭されない理由 JFAはむしろ“責任を問えない”?
A代表監督を解任する理由がなく、五輪本番だけ誰かに代えるのは意味がない
オーバーエイジ(OA)枠3人をフル活用し、GK2人が五輪世代の国内組と仮定すると、国内組のフィールドプレーヤーで五輪代表18人に入るのは4人程度ではないかと想定される。具体的に言えば橋岡大樹(浦和)、相馬勇紀(名古屋)、田中碧(川崎)の3人にプラス1人(CBかSBの控え)。
最終的にそうしたメンバー構成になるのであれば、U-23選手権惨敗の影響はほぼない。柱の1本が折れたところで、もう1本あるわけだ。森保監督は柱の1本を維持できなかったとはいえ、そちらで五輪に臨むのでなければ、ここで責任をとらなければならない理由はない。兼任監督は都合がいいなという感じはするけれども、もう1本の柱の真価を東京五輪で問えばよい。
コパ・アメリカがあったとはいえ、実質的な強化期間はここからのわずかな時間でぶっつけ本番に近く、必ずしも森保監督でなければならない理由もないわけだが、OA枠を含めてほぼ全員がA代表歴のあるメンバーになる以上、A代表監督が指揮を執るのが妥当だろう。というより、ここでの監督交代はA代表にも影響するのでJFAの方針からして、それは選択肢にないはずだ。
東京五輪本番だけ誰かに指揮を執らせるのはあまり意味がなく、やってくれる人もいないだろう。やるならA代表も任せたほうがいい。しかし、A代表監督としての森保を解任する理由がないのだ。バヒド・ハリルホジッチ解任という過去があるので、やろうと思えばなんでもできるのかもしれないが……。
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(西部謙司 / Kenji Nishibe)
西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。