東京五輪世代「ポジション別最新序列」 堂安、久保、冨安ら“不在の欧州組”に迫った選手は?
【WB&ボランチ】サイドでは橋岡、相馬が好アピール ボランチ争いは「現状維持」
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【サイドバック/ウイングバック】
○ 杉岡大暉(鹿島)
◎ 橋岡大樹(浦和)
◎ 相馬勇紀(名古屋)
— 菅原由勢(AZ)
— 菅 大輝(札幌)
— 長沼洋一(愛媛)
— 鈴木冬一(湘南)ほか
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チーム発足時から攻守の肝となるポジションとして注目されるウイングバックは、今大会で序列の変化があった。左サイドに関しては変わらずに杉岡がトップに立つ。タイでは久々の実戦となったなか、攻守にハードワークを繰り返して周りを助けた。今回、菅が出場機会を得られなかったことを考えれば、このポジションの一番手であることは間違いない。
また右サイドで大きく評価を上げたのが橋岡だ。積極的な攻撃参加だけでなく、右CBでもプレーできるポリバレント性を披露。ピッチ内で声を出して周りを鼓舞する姿なども好印象だった。海外で活躍する菅原が11月の広島遠征でインパクトを与えることができなかったことを考えても、序列は上がったと言える。
加えて、このポジション争いに食い込んできたのが相馬である。今回のタイでは、両サイドでプレーできる順応性を見せただけでなく、最後まで走り切る運動量、積極的なドリブルでの仕掛けは他を圧倒していた。フレキシブルにプレーできることをアピールできたことは、今後に大きくつながっていきそうだ。
【ボランチ】
— 中山雄太(ズヴォレ)
○ 田中 碧(川崎)
○ 田中駿汰(大阪体育大)
○ 齊藤未月(湘南)
△ 松本泰志(広島)
— 高 宇洋(山口)ほか
U-23アジア選手権を終えて、ボランチ争いは「現状維持」の一言に尽きる。最有力は長崎遠征で圧巻のパフォーマンスを見せた中山。キャプテンとしてチームをまとめられることを示しており、CBでもプレーできることから当確候補の1人だ。
今大会組では、際立ったパフォーマンスを見せられた選手はいなかった。もちろん田中碧と田中駿汰のダブルボランチは、ボールの引き出しから動かし方まで良さを見せたが、これまで以上のものが見られたかというと疑問が残る。苦しい状況のなかで変化を生み出すようなプレーをより見たかったところ。齊藤に関しては自身の特長であるボール奪取能力を発揮。メンタル面でも強さを感じさせた。ただ、奪った後の精度には課題を見せており、プレー面での改善がさらなる序列アップの鍵になる。
唯一、厳しい評価とせざるを得ないのが松本だ。第2戦で先発出場したが、相手に怖さを与えるようなシーンがほとんどなく、ピッチで存在感を発揮できず。クラブに戻ってより成長したプレーを見せられない限り、厳しい状況は増すだけだろう。
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。