森保J、U-23アジア選手権「パフォーマンス分析」 出場19選手で東京五輪に近づいたのは?
【GK&DF分析】ミスが続出した守備陣だが…守護神・大迫は存在感を発揮
タイで開催されているU-23アジア選手権に出場した森保一監督率いるU-23日本代表は15日、グループリーグ(GL)第3戦カタール戦を1-1で引き分け、1分2敗の未勝利で大会を終えた。優勝を目標に掲げながらも、第1戦のサウジアラビア戦で1-2の敗戦。続く第2戦のシリア戦も1-2で敗れ、史上初めて決勝トーナメント進出を逃した。東京五輪イヤー最初の公式大会は屈辱的な結果。半年後への“アピール合戦”となった今大会、出場全19選手の3試合通してのパフォーマンスを5段階評価(★★★★★)で評価した(出場時間の※はアディショナルタイムの交代)。
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<GK>
■大迫敬介(広島/①フル ②フル ③フル)=★★★★☆
失点数こそ多いが、PKが3度と決定的なミスからの失点でGKにとってはノーチャンス。一方でサウジアラビア戦の前半には強烈な枠内シュートを右手一本でセーブするなど、守護神としての存在感は発揮した。安定感あるプレーでゴール前での頼もしさは増した。
(出場なし)
小島亨介(大分→新潟)
谷 晃生(G大阪→湘南)
<DF>
■立田悠悟(清水/①- ②12分 ③フル)=★★★☆☆
シリア戦では終盤の失点でポジショニングが悪く、カウンターを食らってしまった。先発出場したカタール戦では3バックの中央を務めるも、カバーリングの遅れでピンチを招いてしまう場面も。だが、後半にはビルドアップで敵陣まで運び好機に発展する場面もあり、意外性を狙ったプレーはチームを活気づけた。
■渡辺 剛(FC東京/①フル ②78分 ③-)=★★☆☆☆
キャプテンマークを巻いて第1戦と第2戦に先発出場。サウジアラビア戦の終盤に起こったバックパスミスからPKを献上しての失点には関与していないが、最終ラインのリーダーとして意思統一させたかった。シリア戦では左足の負傷もあり、交代後に失点。相手のチャンスの芽を摘むようなプレーに期待したかった。
■杉岡大暉(湘南→鹿島/①※90+1 ②- ③フル)=★★★☆☆
左ウイングバック、左サイドバックで出場。本番でも主力として期待される実力はアジアの舞台でさすがの出来だった。守備力には問題ないが、左足から繰り出すクロスの精度が高まれば、もっとチャンスメイクできたか。カタール戦で放った左足のミドルシュートは強烈だったが、枠に飛ばしたかった。
■岡崎 慎(FC東京→清水/①フル ②フル ③-)=★★★☆☆
サウジアラビア戦ではDF古賀のバックパスミスから相手に突破を許し、PKを献上。パスの質が悪かったとはいえ、終盤に集中力の欠いたプレーを見せてしまった。だが、シリア戦では途中からセンターバック(CB)3枚の右を務め、積極的にビルドアップを図るなど、気持ちの強さをプレーで示そうとした。試合後すぐに、的確な分析を自らの言葉で発することができる能力も高評価。DF冨安やDF板倉らがCBの主力候補に挙がるなか、対人の強さに磨きをかけていきたい。
■町田浩樹(鹿島/①- ②フル ③フル)=★☆☆☆☆
シリア戦では序盤に自陣のペナルティーエリアでハイキックしてしまい、PKを献上。敗れればGL敗退が決まってしまう一戦でいきなり流れを悪くした。その後、メンタルを立て直すことができず、目立ったプレーはなし。持ち味として期待された左足からのフィードも見られず、攻撃の起点にもなれなかった。
■古賀太陽(柏/①フル ②- ③-)=★☆☆☆☆
サウジアラビア戦でバックパスをミス。GK大迫とDF岡崎のどちらに出したか分からない致命的なパスミスから突破を許し、PKを献上してしまった。2年前のU-23アジア選手権でもパスミスから失点を喫しており、悪癖が繰り返された。チャレンジする姿勢が欲しかった。
■橋岡大樹(浦和①フル ②フル ③フル)=★★★★☆
右ウイングバックと3バックの右で出場。特にシリア戦は右サイドからの攻撃が活発だったため、クロスからのチャンスメイクに尽力した。3バックの右で先発したカタール戦では、守備範囲の広さを見せ、最後まで走り切ることで何度もピンチを救った。後半には右サイドバックでプレーし、五輪本番のメンバー入りには必至となる“ポリバレントさ”を今大会で一番示した選手となった。