森保監督、惨敗に終わった大会の“マネジメント力”に迫る ピッチ内外の舞台裏とは
U-23アジア選手権は2連敗で史上初めて決勝トーナメント進出を逃す
森保一監督率いるU-23日本代表は12日、タイで開催されているU-23アジア選手権のグループリーグ第2戦シリア戦に1-2で敗れ、敗退が決定。第1戦のサウジアラビア戦(1-2)に続いて2連敗となり、同大会史上初めて決勝トーナメントに進出できなかった。五輪代表を昨年11月から3カ月連続で指揮を執った森保監督。連敗が起こってしまった“マネジメント力”の舞台裏に迫る。
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バンコクの夜空にシリアの歓喜の声が響き渡る横で、日本の選手は膝をついた。初戦のサウジアラビア戦に続いて終盤に失点を喫し、屈辱的な2連敗でグループリーグ敗退が決定した。
敗れれば敗退が決まる崖っぷちで迎えたシリア戦。序盤からいきなり苦境に立たされた。前半5分、ペナルティーエリア内で相手選手に対し、DF町田浩樹(鹿島アントラーズ)が遅れて蹴ってしまい、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の判定。これによってPKを献上し、同9分に先制点を許した。
対する日本は同30分、左サイドからカットインしてミドルシュートを放ったMF相馬勇紀(名古屋グランパス)が、相手DFに弾かれてこぼれたボールを拾って再びシュート。この強烈な一発がニアサイドを破ってゴールに吸い込まれ、1-1の同点に追いついた。後半は膠着した状況が続くなか、試合終盤にカウンターを受け、失点。2戦連続して終盤の失点で敗れ、ショッキングなグループリーグ敗退となった。
昨年11月、広島で行われた国際親善試合コロンビア戦(0-2)で1年3カ月ぶりに同代表の指揮を執った森保監督。今大会帯同したことにより11月、12月の国際親善試合ジャマイカ戦(9-0)に続いて3カ月連続で指揮を執ることとなった。
コロンビア戦は国際Aマッチウィークであったため、A代表のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選を終えてから、試合前日に合流。MF堂安律(PSV)とMF久保建英(マジョルカ)を同時起用したものの、連係不足は解消できず、惨敗に終わった。
昨年12月。長崎で行われたジャマイカ戦では、危機感を覚えた主将のMF中山雄太(PECズウォレ)が合宿中に何度も選手を集め、“選手ミーティング”を開いた。3カ月ぶりに招集されたMF安部裕葵(バルセロナ)も、音頭を取って前線の選手を呼び、守備の仕方などを伝えた。試合に臨む姿勢として、11月の反省を生かして12月に行動へ移した。この“過程”は中山ら一部選手が“変わった”ため、作り出されたものだった。