青森山田、“1・2年生コンビ”が明かす3年生への思い 「恩返しの大会だったけど…」
レギュラーとして活躍した1年生MF松木と2年生DF藤原が心境吐露
青森山田(青森)は連覇を目指した第98回全国高校サッカー選手権の決勝で、静岡学園(静岡)に2-3で敗れた。レギュラー出場していた1、2年生のMF松木玖生とDF藤原優大は、失点に絡んだことも悔やみながら「恩返しできなかった」と3年生への思いを吐露している。
青森山田は浦和レッズに内定のMF武田英寿が主将を務め、ボランチには横浜FC内定のMF古宿理久が君臨。GK佐藤史騎、前線のFW田中翔太といった3年生が中核にいるなかで、古宿とコンビを組んだのが1年生の松木、センターバックの一角を占めたのが2年生の藤原だった。
そのなかで藤原は、前半11分に古宿のフリーキックを難しいバックヘッドで合わせて先制点を奪い、「ずっと練習してきた形で、そらすのも上手くいった」と明かす。しかし、2-1で迎えた後半16分、相手FW加納大がゴール正面でボールを受けた時、藤原は「寄せ切れなかった」と反転シュートを許してゴールを奪われてしまった。
また、今大会で4得点を挙げ、この決勝で1ゴールすれば元日本代表FW武田修宏氏以来36年ぶりの1年生得点王の可能性があった松木は、セットプレーで攻撃参加して迎えたシュートチャンスでミートしきれず「チャンスで決めきれなかった。それが勝敗を分けてしまった」と悔やむ。また、3失点目となったセットプレーについて、黒田剛監督はGK含めた連携の問題とはしつつ「松木がマークを外してしまった」と指摘した。
ともに大会優秀選手にも選ばれ、実りのある大会ではあった。それでも藤原は「キツい時はスタンドの3年生も見て勇気をもらった。3年生に優勝を届けられなくて申し訳ない」と話し、松木もまた「春から一緒にプレーさせてもらってきた恩返しの大会だったけど、それができずに負けてしまった」と悔やんだ。
両者とも、大会前からJリーグの各クラブも注目する存在だったが、決勝まで勝ち進んでくる大会の過程でその力をさらに見せたと言えるはず。藤原は「この悔しさを忘れず、自分たちが軸になって1年間戦って、この舞台に戻ってきたい」と力を込める。強豪、青森山田の中にあって実力でポジションを奪い取った2人。悔しさをバネにした成長と将来性が楽しみだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)