「ひどい仕打ちだ」 プレミアでVARがまた物議…英代表MF激怒「僕らは憤っている」
ウェストハムMFライス、ゴール取り消しに異論 「ほぼ全員がVARを望んでいない」
いまだ賛否両論のビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)がまたも波紋を呼んでいる。現地時間10日に行なわれたプレミアリーグ第22節のシェフィールド・ユナイテッド対ウェストハム戦(1-0)の試合終了間際に起きたゴール取り消しの事態にイングランド代表MFデクラン・ライスは「ひどい仕打ちだ」と怒りを露わにした。英衛星放送局「スカイ・スポーツ」が報じている。
物議を醸しているシーンはウェストハムが1点を追う展開の後半アディショナルタイムに起きた。ピッチ中央でボールをキープしたライスがドリブルで運び、ペナルティーエリア内へスルーパスを通すと、これを受けたMFロバート・スノッドグラスが右足のシュートでゴールネットを揺らす。1-1の同点に追いつく劇的な得点で、選手もスタンドも狂喜乱舞した。
しかし、ゴール後にVARによるチェックが入り、主審はノーゴールと判定。ゴールの前にハンドがあったとしてシェフィールド・UのFKで試合を再開させた。ゴールをアシストしたライスがDFと競り合った際に、DFが頭で触ったボールが左手に当たっており、それがハンドの反則を取られたのだ。
この判定にライスは「僕らは憤っている。怒り狂っているよ」と怒りの感情をぶちまけた。手でボールを扱ったことは意図的でなく、避けようのないものだったと強く主張している。
「彼が弾いたボールが僕の手に向かってきた。僕は完全に走るモーションに入っているなかで、彼が僕の手に向かってヘディングしたんだ。当然、走っているときに手にボールが当たればルール上はハンドだが、僕は意図的に手でボールを扱ったわけではない。VARがチェックし、ゴールは認められなかった。これはひどい仕打ちだ」
現在のルールではハンドの基準に意図的かどうかが考慮されることはないが、ライスはこの無慈悲な判定に対するやりきれない気持ちを吐露していた。さらに「これは僕一人だけの考えではない。プレミアリーグでプレーする全選手の考えだ。ほぼ全員がVARを望んでいない」と選手たちがVARの採用に否定的だと強調した。
VARは誤審を減らすという目的の下でサッカー界に広く浸透してきているが、選手や観戦するファンにとってはゴール後にぬか喜びさせられる場面も多く、サッカーの魅力を奪っているとの批判もある。
解説者の元イングランド代表DFジェイミー・キャラガー氏は「ハンドボールのルールはまるでジョークだ。あれでゴールが認められないのはあり得ない」と語り、VARではなくルール自体に問題があると指摘していたが、選手たちの怒りの矛先はVARに向いてしまっているようだ。