新潟県勢“初4強”、惜敗の帝京長岡が未来につないだ夢 敵将も唸った多彩な攻撃スタイル
古沢監督「このレベルをスタンダードとし、さらにこの上をいく選手を育てたい」
卒業生でもある古沢徹監督の鼻息も荒くなった。「あれで追い付き、追い越せると思った。(タイムアップの)笛が鳴るまであきらめていなかった」と、押せ押せムードだったベンチの様子を解説する。
しかし最後は次から次へとフレッシュな選手を投入し、走力の衰えたポジションを手当てした青森山田の老獪な試合運びにあと1点を奪えなかった。シュート数17対6と大差がつき、内容では上回ったものの勝負に敗れた。
高校年代の王者に善戦したが、もう少しのところで力及ばず、新潟県勢の悲願は持ち越しとなった。それでも古沢監督は「この試合を見て、ウチでやりたいという選手が増えてくれたらと思う。(Jリーグに進む)谷内田、晴山(岬)、吉田(晴稀)のレベルをスタンダードとし、さらにこの上をいく選手を育てたい」と夢を語った。
高校サッカーで、もう地域間格差はない。帝京長岡がリードする新潟県勢が頂点に立つ日も、そう遠くはなさそうだ。
(河野 正 / Tadashi Kawano)
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河野 正
1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。