U-23代表MF食野、“激戦区”シャドーで生き残りアピールの一発 「シュートは打ってみるもの」
U-23アジア選手権初戦のサウジ戦、食野の同点弾で追いつくも終盤に失点して敗戦
U-23日本代表は10日、タイで開催中のU-23アジア選手権で初戦のサウジアラビア戦に臨み、終盤に痛恨の失点を喫して1-2で敗れた。東京五輪イヤーの初陣だったが、序盤から押し込むサウジアラビアに苦戦。決勝トーナメント進出へ手痛い黒星スタートとなったなか、今大会唯一の海外組として招集されたMF食野亮太郎(ハーツ)が10番の責任を果たす同点弾を挙げた。激戦区のシャドー争いで自身のアピールには成功した。
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流れを変える一振りだった。1点を追う後半11分、左サイドでボールを受けた食野は迷わずに仕掛けた。中央へ切り込み、右足でシュート。強烈な一発は相手DFに当たってゴールに突き刺さった。代表初得点となる貴重な同点弾に思わずバンコクの夜空に向かって吠えた。
「角度はなかったんですが、打ってみようと思ったら入ったので、シュートは打ってみるものだ、と改めて感じましたし、あれが自分の特徴なのでこれからも続けたい。プレッシャーは感じていたので、決められて良かったと」
背番号は「10」。唯一の欧州組として参加している。ガンバ大阪ジュニアユースからユースを経て2017年にトップへ昇格。主力として頭角を現してきた昨夏に、マンチェスター・シティへ完全移籍した。その後、就労ビザ等の関係からスコットランドのハーツへ期限付き移籍。年代別代表での招集歴もなかった男は、東京五輪へ向けて本大会メンバー入りを目指す立場まで上り詰めた。そして今大会与えられた背番号には重圧を感じていた。
「緊張はしていないけど、自分自身初めての国際大会で浮ついた部分もあって、そのせいで前半はタッチも乱れたりもした。それでも修正できるメンタルも身につけたので、去年で。そこに関しては問題ないと思う」
強靭なメンタルはG大阪時代から変わらない。左サイドからのカットインで放つ右足からのシュートは得意な“食野ゾーン”。チャレンジして切り開くゴールは同じ大阪・泉佐野市出身で4学年上の日本代表MF南野拓実(リバプール)のような精神面の強さからなる。江戸時代に泉佐野市で栄えた豪商・食野家の末裔。昨年、J開幕時はG大阪U-23チームの一員としてJ3からスタートした。それでも、這い上がって夏には欧州移籍を実現。10月にはU-23日本代表に招集され、今大会では10番を付けた。挑戦し続けたからこそ、このゴールにつながった。