去就問題で揺れる香川が覚悟を口に 「そのために戦っている」とマンチェスター・U残留を希望

覚悟を決めた男の言葉

 トップ下でポジションを争うマタに先んじるためにも結果が欲しかったが、TPOをわきまえたプレー選択でサッカーIQの高さを示した。だが、心の底では強烈なライバル心が燃えている。

 「今季はマタとのポジション争いが続きそうだが」という問いかけに、「(マタは)すごく技術的にも高い。すべてのクオリティーが備わっている選手。(ポジション争いは)ハイレベルな戦いだと思う。彼のいいところも感じる。彼のいいところを引き出して、結果を残していければいい」と答えた。

 ルイス•ファンハール監督は「背番号10のタイプが多過ぎる」と言い、チームの戦力バランスに不満を漏らしてきた。その指揮官は今大会中、香川をボランチでテスト起用するなど、背番号「26」にとってはチャレンジのシーズンが待ち構えている。あえて、そこに飛び込む決意を固めた。

「すごく今はやっているサッカーも楽しいですし、こういうサッカーを続ければ結果は出ると思う」

 その言葉からは、ブラジルワールドカップ(W杯)で母国オランダを3位に導いた知将の指導に充実の日々を過ごしていることがうかがえた。指揮官はギネス杯後、選手と個人面談を持ち、評価の低い選手には戦力外を通告することを明言している。だが、香川は自らの責務に集中することを明かした。

「そんなことは特に考えていない。それは監督が決めること。自分は毎日毎日、いいコンディションといい状態をキープしてやっていきたい」

 ブラジルW杯での屈辱を晴らすために、マンチェスター・U残留という覚悟を決めた男•香川の逆襲が楽しみでならない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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