独1部デビューを目指す19歳日本人MF 「いい道を歩いている」U-23監督、精神面を評価

向上心を失わないアペルカンプ、その眼差しの先に見えるものとは?

 心構えやメンタリティーという言葉が大事だと、誰もが言う。それは生まれつきの素質でもあるかもしれない。だが、そこには常に向上心がなければならない。プロフェッショナルな心構え、人生における取り組み、栄養への意識、バランスの取れた生活。自分を律し、だからと無理をしすぎることなく取り組んでいくことで、どこまでも成長していくことができるのだ。

 ふとグラウンドに視線を向けると、アペルカンプはフィジカルコーチとともにグラウンドを黙々と走っている。当時怪我明けだった彼は、コンディション調整をするために練習後に必要な負荷での走り込みを行っていた。

 その眼差しの先にあるものはなんだろう。アペルカンプの道はどこに続いているのだろう。それはまだ誰にも分からない。でも……いや、だからこそ、眩い光が輝く満員のスタジアムで自分の名前が叫ばれる日が来ることを願い、努力に嘘をつかずに毎日を大切に生きていくのだ。

 夢はきっと叶うと信じて――。

中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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