青森山田が目指す“究極のオールラウンダー” 黒田監督が追求するチームコンセプトは?
“勝ち方を知っている”ディフェンディングチャンピオンに死角なしか
近年の高校サッカーでは、学校単位でも明確な“スタイル”を打ち出すチームが増えてきた。特に技術的な要素を大事にするチームもあれば、現在のサッカー界で最先端の戦術を追い求めるチーム、あるいはブロックを作った守備から2トップの破壊力を生かすチームと、多様性が生まれている。一方の青森山田を率いる黒田監督が目指すのは、ある意味では“究極のオールラウンダー”とでも呼ぶべきものだ。
例えば、前の2試合ではロングボールを跳ね返す最終ラインとボールを拾うボランチという役割があった相手ボール時に、「今日は中央を閉めてサイドに誘導して、サイドでも縦を切って、中に返すボールを狙え」という指揮官の守備戦術をすぐにピッチ上に反映できる。相手や試合状況によって「なんでもできる」というのは、対戦型ゲームであるサッカーにおいて大きな強みだ。
まさに勝ち方を知っているという言葉がピッタリの集団は、大会連覇に向けて死角のない試合を続けながら準決勝まで駒を進めた。次なる相手はボール際のテクニックが非常に優れる帝京長岡(新潟)になるが、青森山田はどのような引き出しを勝利のために開いてくるのだろうか。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)
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