青森山田の1年生ボランチ松木、際立つ強心臓ぶりと海外志向「早く海外に行きたい」
2試合で3ゴールと強烈な存在感 「5点を目標に、貪欲に狙っていきたい」
青森山田(青森)の1年生ボランチ、MF松木玖生は3日の全国高校サッカー選手権3回戦の富山第一(富山)戦で2ゴール。2回戦に続く2試合連続ゴールで、4-1の勝利を引き寄せた。物怖じしない強心臓の持ち主は「できるだけ早く海外に行きたい」と海外志向を明かしている。
青森山田中の3年時からすでに高校生チームに合流していた松木は、今大会でも「7番」のレギュラーで2試合連続スタメン。そして、前半7分にロングスローのこぼれ球に反応して左足で蹴り込むと、後半35分にはコーナーキックをゴール前でヘディングシュート。この日の自身2点目で、大会通算も3ゴールとした。
先月15日に行われた高円宮杯プレミアリーグのファイナル、名古屋グランパスU-18戦でも決勝ゴールを決めた勝負強さの持ち主は、中盤ではボールを刈り取る強さを見せ、チャンスとあればゴール前に飛び込んでいくダイナミックさが持ち味だ。先輩選手たちに囲まれるなかでも「海外では年齢は関係ないはず」と、大きなジェスチャーで指示を出す姿もある。
その松木は、現在マンチェスター・シティでプレーするU-21イングランド代表MFフィル・フォーデンを意識しているのだと話す。そのプレーメーカーについて「左足で持った時の仕掛けやゴールへ向かう姿勢、サイドチェンジもあるし、年齢も近くて一番意識している選手です」と口にする。そして「自分としては早く海外に乗り込みたいという気持ちが強いので、ボランチでも守備も攻撃もできる選手になりたいと思っています」と、海外志向の強さを語った。
2日の米子北(鳥取)戦後に松木は、「(大会で)5点を目標に、貪欲に狙っていきたい」と話していた。決勝まで進めば1試合1得点で達成できるペースだが、すでに2試合で3得点と目標を上回っている。
この選手権に対して松木は「1年間やってきた集大成で、先輩に優勝で恩返ししたい」と話すものの、「(海外から)声が掛かれば早いうちに経験して、自分のレベルがどれだけなのかにチャレンジしたい」と、国内の同世代と対戦していくカテゴリーを飛び越えていく意気を示す。連覇を狙う青森山田のなかで、その枠を超えた将来を見据える1年生ボランチのプレーは、その言葉を現実する可能性を感じさせるものを見せている。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)