浅野弟に根付く“ジャガーのDNA” 兄・拓磨からの言葉「選手権は人を、未来を変えるぞ」
四日市中央工FW浅野快斗が選手権の活躍に意気込み「身近に一番の手本がある」
第98回全国高校サッカー選手権は2日に2回戦が行われ、四日市中央工(三重県)が松本国際(長野)を相手に2-1と逆転勝利を収めた。FW浅野快斗(3年)は、兄の日本代表FW浅野拓磨(パルチザン)から「選手権は本当に人を変える。未来を変えるぞ」と助言を受けたことを明かしている。
2年連続34回目の選手権出場となる四日市中央工は、24年にわたってチームを指揮してきた樋口士郎監督が昨季限りで退任し、伊室陽介監督の下で新たなスタートを切ったが、伝統の勝負強さが消えることはなかった。前半20分に先制点を許すも、後半2分にFW田口裕也(3年)、同26分にMF森夢真(3年)がネットを揺らし、逆転勝利で3回戦進出を果たした。
スコアをひっくり返した直後の後半27分、見慣れた苗字のFWがピッチに投入された。浅野快斗。爆発的なスピードでピッチを駆け抜ける姿まで瓜二つだった。四日市中央工の背番号「7」を背負う浅野は、日本代表でも活躍する兄・拓磨の弟だ。
試合後、浅野は「裏への抜け出しを選手権で一番見せつけたい。スピードには自信がある」と口にすると、世界で活躍する兄からは「『選手権は本当に人を変える。未来を変えるぞ』と強く言われた」と明かした。
兄・拓磨も四日市中央工で3回選手権に出場し、得点王に輝く活躍でチームの決勝進出に大きく貢献。サンフレッチェ広島のオファーを勝ち取っていた。「兄も選手権でゴールを量産し、プロの道を掴んだ。身近に一番の手本がある」と意気込んでいた。
「プロサッカー選手が自分の夢。やはり兄の存在が大きいし、追い越したい。世界に羽ばたく選手になりたい。まだ何も決まっていないが、(卒業後は)留学して、海外で挑戦して、拾ってもらえるまで頑張りたい。自分も、兄と同じ舞台に立ちたい」
卒業後に海外挑戦したい意思を兄に相談したところ、全面的なバックアップを約束してくれたという。現在はスーパーサブの役割を担っているが、持ち前の快足でゴールを脅かす“ジャガーのDNA”は確かに根付いている。
(FOOTBALL ZONE編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)