“変幻自在ドリブラー”を輝かせる堅守 昌平が難敵に快勝、埼玉勢38年ぶり優勝へ好発進

1月2日試合結果一覧【画像:Football ZONE web】
1月2日試合結果一覧【画像:Football ZONE web】

エース須藤も手応え 「守備での組織力とチーム力でウチが上だった」

 得点した2人が言う。鎌田が「ウチは上手い選手ばかりで、上手いだけでは使ってもらえません。守備でも一生懸命やらないとアピールできませんから」と話せば、須藤も「守備での組織力とチーム力でウチが上だったから勝てました。しっかりと守れた」と胸を張った。

 GKも守備ラインも大柄な選手は不在で、登録選手で一番大きいのが控えGKの松葉遥風の181センチ。先発メンバーの平均身長は171センチで、180センチ台はいない。それでも守備が堅く、埼玉県予選は6試合で1失点だ。

 藤島監督はボランチを務める162センチのMF柴圭汰を引き合いに出し、「小さくても大きい選手を相手に予測と反応の早さでいい仕事をしてくれた」と手放しで褒めた。

 相手のキーマンだったU-17日本代表のMF樺山諒乃介を徹底マークした柴は、「10番(樺山)は絶対止めてやる、って気持ちでやりました。上手いとかでかい選手ほど戦うのが楽しみです」と、なんとも頼もしい小柄なMFだ。

 難敵を倒した。埼玉予選も2回戦以降、決勝まですべて決勝戦のような強豪と戦って連破し、成長しながら頂点に立った。全国の舞台でもあの予選を再現できたら、埼玉県勢38大会ぶりの優勝が近づいてくる。

(河野 正 / Tadashi Kawano)



page1 page2

河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング