浦和内定の青森山田MF武田、“ラスト選手権”で集大成宣言 「優勝で恩返しをしたい」
先制点の起点となり、自らも2ゴールと大会初戦で上々のスタート
前回王者の青森山田(青森)は、2日に行われた第98回全国高校サッカー選手権2回戦で、米子北(鳥取)を6-0で下して大会初戦を突破した。J1浦和レッズ入りが内定している3年生MF武田英寿はPKを含む2得点。高校最後の舞台に「勝利のために走って戦い、集大成として優勝で恩返しをしたい」と意気込みを語った。
立ち上がりからロングボールの応酬であまりボールタッチの機会が訪れなかった武田だが、前半36分に右サイドでボールキープすると3人のプレッシャーを受けながら冷静にパスをさばき、そこからの展開でチームの先制点が生まれた。黒田剛監督も「武田が囲まれたところを上手くサポートしたし、武田のマークが厳しくなることを上手く利用できたゴールだったと思う」とその存在の大きさについて触れた。
さらに、後半1分には相手のミスを見逃さずにハーフウェーライン付近の左サイドからドリブルで独走。ペナルティーエリア外から、相手GKの位置を見極めてループシュートを決めた。試合終了間際にはPKも決め、最後の選手権は自身も2得点と上々の滑り出しになった。
武田は卒業後の浦和加入が内定しているということで注目を集める存在だが、あくまでも今大会に全力を尽くす思いだ。前回優勝校のキャプテンという重責も担うなかで、「自分としては次のこと(プロ入り)や注目は考えず、青森山田の勝利のために走って戦い、集大成として優勝で恩返しをしたい」と意気込む。
優勝した前回大会でレギュラーだった唯一の存在だけに、「短い期間での戦いなので、コンディションを万全に保つのは絶対に必要。最後まで学ぶことをやめず、常に成長していくことが優勝には必要だと思う」と、先を見据えた。
この日は会場が浦和の本拠地に近い埼玉県のNAC5スタジアムだったため、浦和の応援グッズを身につけた観客の姿も目立った。それだけに武田は「もうちょっと(いいプレーを)見せたかったですね」と話したが、大会が進んでより際どい勝負になったなかでどのようなプレーを見せてくれるのかにも注目したいところだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)