「“大島僚太”を求められている自覚はある」 静岡学園MFに託される “偉大な先輩”の役割
川崎ユース出身の浅倉、パスサッカー展開する静岡学園の舵を握る“影の司令塔”
静岡学園(静岡)は12月31日、第98回全国高校サッカー選手権大会の1回戦で岡山学芸館(岡山)と対戦し、6-0のゴールアッシュで圧勝を収めた。MF井堀二昭(3年)がハットトリックを達成しインパクトを残したが、華麗なパスサッカーの起点となる“影の司令塔”の影響力も大きなものだった。
5大会ぶりの出場となった静岡学園だが、大会屈指のパスワークを披露するポゼッションチームとして、前評判の高い存在だった。そして、それを証明するかのような圧巻のゴールラッシュを披露する。井堀のハットトリックを含む6ゴールと圧巻の破壊力を見せつけた。
鹿島加入が内定しているMF松村優太(3年)に対して岡山学芸館が徹底的なマークを施してきたことで、井堀ら他のアタッカー陣が自由に動くことができ大量得点につながった。しかし、静岡学園の攻撃陣にリズムを与える“影の司令塔”も非常に大きな影響を与えていた。
背番号「8」のMF浅倉廉。セントラルハーフで起用された3年生は、ロングパスとショートパスの瞬時の使い分け、パスのスピードの緩急を駆使し、効果的なリズムを生み出し、静岡学園の華麗なるパスワークの起点となっていた。
「川崎フロンターレが細かいパスをつないで打開するようなサッカーを模範としている。個人的には、大島僚太選手を意識して取り組んでいる。中盤でボールを触ってリズムを作るのが自分の役割。“大島僚太”を求められている自覚はある。そのなかで得点やアシストを生み出していればと思う」
川崎はJリーグで最高峰のパスワークを披露するクラブとして知られているが、そのなかでも大島はポゼッションサッカーを体現する存在だ。そして、大島は静岡学園出身であり、先輩にあたる。さらに、浅倉は川崎のユース出身であることから、両者は役割や生い立ちが非常に似通っている。
「もちろん、優勝を目指しています」と、迷いなく言い切った浅倉。松村のような目を引くドリブル、この日の井堀のような強烈なミドルシュートを見せることは少ないが、華麗なるパスワークの舵取りを担う浅倉は静岡学園、そして今大会の鍵を握る存在となるかもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)