「独特の感覚でボールを持っている」 フットサル出身の静岡学園MF草柳にカズ驚嘆
カズが名を挙げたレフティー 途中出場のプレー時間15分で1G1A
プレーぶりは、静岡学園(静岡)のOBで来季からJ1の舞台で戦う横浜FCの元日本代表FW三浦知良にとってもインパクトがあったようだ。12月31日に行なわれた第98回全国高校サッカー選手権の1回戦で静岡学園は岡山学芸館(岡山)に6-0と快勝。スタンドで試合を観戦していたカズは、試合後に取材を受け、「途中出場した19番の草柳祐介選手」の名前を出すと、周囲と話題にしていたことを明かした。
「左足のスペシャリストですよね? 試合を見ながら、ずっと話していたんですよ。左足のスペシャリストで、独特の感覚でボールを持っている感じがありましたね」
チームが4-0とリードしていた後半20分にピッチに立ったMF草柳祐介は、左サイドを基本ポジションにしながら、状況に応じて中央にも進出し、多くのチャンスに絡んだ。後半37分には中央でパスワークの中からFW岩本悠輝のゴールをアシスト。さらに終了間際のアディショナルタイム3分には、ゴール前でDF森井麻央のパスを受けてダメ押しとなる6点目を決めた。
2012年にタイで開催されたフットサルワールドカップ(W杯)にも出場したカズは、草柳の得点を「フットサルみたいなゴールでしたね」と話したが、実際にこの草柳は小学4年時からフットサルの全国リーグであるFリーグに所属する湘南ベルマーレの下部組織P.S.T.C.ロンドリーナ(現S.B.F.C.ロンドリーナ)に在籍し、中学卒業までサッカーと並行してフットサルもプレーしていたのだ。
フットサル経験のある選手というと、どうしても足技のある選手というイメージを持ちやすい。草柳は足もとのテクニックはもちろんだが、ボールがないところでの動きにもフットサルで磨いた技術を強く感じさせる。
たとえば、ゴールシーン。左サイドハーフに入った草柳がボールを受けたのは、右のゴールポスト前だった。オフサイドのないフットサルでは、相手ゴール前のファーポスト前に待ち構える「セグンド」「ファー詰め」と呼ばれる戦術がある。サイドから崩した際に、ラストパスを、パスを出す選手から遠い方のゴールポスト前で受ける戦術的な動きだ。
草柳自身もフットサルで磨いた自身のプレーの特長を語るなかで、このゴールについて触れている。